スポーツトレーニングの害について書いたが、とうぜん反論もあると思う。 いや、スポーツは体育手段として有効なのだ。それだけに副作用にも同等に目を向けるべきだと言いたかったのである。何でもいいから身体を動かしていればいいだろう、という粗雑な感覚には危険がつきまとう。 実際問題、競技の勝利者には栄誉を与えられるが、僅かな数のスターが生まれる一方で相当数の人がケガや故障で中途脱落している。まあ両極端をつい …
背骨感覚を鈍らせるもの
前回背骨の感覚を磨くことの重要性を説いたが、逆に言えばその感覚を鈍らせる行為を知っておくことも必要だろう。 すぐに思い浮かぶのは過度な食事(栄養過多)と過度なスポーツトレーニングである。 どちらも人間の生活にとって身近なものであるだけに、現代は鈍った身体が蔓延しているのだ。 この記事では後者について考えるが、最近改めて気が付いたのはやはりスポーツトレーニングによって育つ身体の隠れた弊害である。実際 …
背骨感覚を練磨する
精神療法の世界でも現代は身体から心にアプローチしていく手法が多数考案され実践されてきている。このブログには何回も登場しているがアレクサンダー・ローエンのバイオエナジェティクスなどはその好例である。 しかし「体が整うのは難しい」の記事でも書いたが、体から心にアプローチする数ある手法のなかでも「質」という点では野口整体は他のあらゆる方法と比較しても群を抜いている、と思う。そもそもが基本的に体と心の間に …
こわすときは一瞬、治るのはゆっくりゆっくり
整体の知見と世間のそれはさまざま面において異なる。その一つ一つをあげて説明していったらゆうに1年は講座が組めるくらいの面白さだが、その中でもつねづね思うのは「打撲」に対する見解の相違だろう。 打撲は恐ろしいのだ。一般的にはゴチッと打って「痛い‥」とうずくまって、しばらくして痛みが治まったら、もう大体いいんだろうと思われがちだ。しかし身体を丁寧に観ると打ったところとその周辺には何か動きが制限されてい …
体が整うのは難しい
恐らく、これからのカウンセリングという点では、これは日本ということだけではなくて、世界的に、心と体の問題というのは一番大きな問題になるだろうと、私は思います。その中で外国人の人がすごく注目してるのは、例えばヨガとか禅とか、そういうようなものです。体を整えることによって、だんだん心を整えていく、そういう考え方。 しかし、かといって、これはものすごく難しいことなんです。なぜ難しいかといいますと、私の話 …
まず自分の力み(緊張)を知ることから
「まず力を抜こう」ということはしきりに言われるが、実はものすごく根の深い話だ。 誰でも力を入れるのは簡単だが、入れた力がどれくらい抜けたかというのを判定することはむずかしい。 厳密に言えば少し訓練した判定者がそばにいればすぐ分かるのだが、力みが習慣化したクライエントにとってはそれが一人ではなかなか判らない。 惰性的に体調が悪く悩んでいるような人は、立っていても寝転がっていても少し刺戟するとピクッと …
ただゆるめようとしてもゆるまない
ボディワークの世界は全般に「やわらか」ブームだ。やわらかさこそが身体の理想の状態という仮説のもとに、そのためのリラクセーション法は無数にある。 どれでもいいから自分に合ったものを選んで専心に行えば、適切なプロセスを踏んで心身のゆるみはある程度まで深まっていく。 ところがそもそも「ゆるまないのはどうしてか?」というと、ここにも様々な理由が見つかる。つまり緊張の原因は何かという問いに対する答えだから、 …
「異常感」を育てる
整体指導の目的は「自分の身体の異常が自分でわかる」ように訓練をしていくものです。確かに「身体を整える、整えてもらう」といったらそういう面もなくはないけれども、もうすこし丁寧にみるとその人の中にもともとある「整っていくための力」がきちんと発揮されるように、小さな異常に対しても敏感に反応する身体を育てているといった方が的確です。 現代を生きる人の大半は、健康というのは外部要因によって冒されやすく、病気 …
リバウンド
最近、有名ダイエットジムで頑張った人たちが一部でリバウンドしているという記事を読んだ。昔からダイエットとリバウンドは切っても切れない関係のようだけれど、整体指導・心理療法にもこれと似たような現象はあると思った。 少し近しい業界では、短期間の自己啓発セミナーに行った直後に目をピカピカさせていた人が、1年後に見たらなんとなく元通りになっていた、というような話がある。 ダイエットもそうだが人間が急にガラ …
五種体癖の働き方・生き方
横浜駅西口にいたパントマイマー。きれいな肩と前腕にしばらく見とれた。五種というのは手(前腕)を動かすことに快感があるらしく、体操選手やダンサーには5種の濃い人が多い。 何よりパントマイマーという職業が冒険を好む5種的な動きそのものだ。これがもし二種や六種だったらこんな風に往来に立つこと自体がまず考えられない。 重心が前(つま先)にあるので、体勢をよく前のめりにしている。そのせいなのか、何かと前に前 …