現在、指導室にはカウンセリング用のソファーが置いてあるのだが、実はこの「椅子」は直近の3年余りで何回も出したり引っ込めたりしている。 日本人の身体文化、というか坐り方が現代的に全く統一されてないためにやむなくこんなことを繰り返してきたと言える。 椅子を置かないときは絨毯に正坐していただくのだが、そうなると正坐が出来ない人にとっては身心が非常に異質な感覚に包まれて対話どころではなくなってしまうのであ …
坐禅・活元運動の会 2018.5.10
今日は坐禅・活元会でした。 いつもと変わらず、脊髄行氣10分、坐禅45分2炷、活元運動45分、仕上げにもう一度脊髄行氣の流れです。 活元運動をする人は老いて死ぬ時にも寝込まない、苦しまないといいます。 自分が活元運動をはじめた青年期には何とも消極的な健康法だと思ったものですが、不惑の年になってみたらこんな素晴らしい修養法はないだろうと認識を改めた。 死ぬ時にジタバタしない、ということはそれだけ「よ …
弱い人はいない
生命は本来丈夫である。 人によっては自分で自分を「か細い」なんて言うこともあるけれど、それは自分でか細く見せているだけで実際に「か細いいのち」というものはない。 もとはみんな丈夫だった。丈夫だったものがいつの間にか「自分は弱い」と思い込んだのである。 問い合わせでも「子供の頃から体が弱くて‥」と書いて送ってくださる方がいるけれども、実はそういうところは最初から信じないし見ないことにしている。 こち …
本気でやれば
どんなことでも本気でやると非凡になる。 非凡というのは平凡の極まったもので、普通の中にあって、バランスが結集した状態だと思う。こうして考えてみると、一人の本気は世界に秩序を齎すものである。 誤解を受けやすいが本気というのは何も「突出したことをする」というわけではなく、とにかくそのことをそのまま、その通りにやればいい。行為自体は別に「非、凡」でなくていいのだ。 整体の場合なら人の身体に触れる、押える …
赤の書
横浜市立中央図書館でユングの『赤の書』を借りてきた。 書庫から出してもらって、思わず漏らした第一声が「え、でか!?」だった‥。 内容は… 自らの無意識を探究するために、マンダラの絵を描き続けたといわれるユング。 因みにユングが「曼荼羅」の存在を知ったのは、上のような絵を独自で描くようになった後です。 やっぱり歴史に名を残す人はなんか違います‥。 2週間で読めるかな‥。
終活整体
「身体を整える」というのはある意味で死ぬ準備なのかもしれない。 よく考えればどんな人間の活動も死ぬ準備だと言えなくはないが、身体を整えるというのはそういう点でものすごくダイレクトな行為だと思う。 準備といっても具体的にどういうことかというと、「やり残し」のないように生きていく、ということだ。 大別すると、20代の整体指導というのはいわゆる「夢」に向かっていく動きである。若さに伴う理想の実現に向けて …
5月 活元会のお知らせ
5月の坐禅・活元運動の会を下記の日程で行います。 ■日程 ○5/10(木)10:00-12:45 ○5/26(土)10:00-12:45 ※13:00頃まで茶話会(自由参加) ■内容 背骨の呼吸(10分)坐禅(45分×2)活元運動(45分) 休憩をはさみながらゆったり行います。老若男女、体力を問わずどなたでもできるような内容を心掛けています。 終了後にはお茶をご用意いた …
内省と外界適応
整体と心理療法を結ぶ共通項は、自己の内面に意識を向ける「内省」にある。 この場合、「意識を向ける」と言うと、誤解をされるかもしれない。 内省の実際とは「意識的な活動を止めてみる」ということなので、このとき当人の感覚としては内省のような作業は「何もしていない」ということになるだろう。 これにより無意識および身体意識が活性化して、いわゆる「自己とつながる」感覚を味わうのである。 自己とつながることで自 …
あさりちゃんコンプレックス
子供のころの思い出になるが、家によく『あさりちゃん』が転がっていた。 『あさりちゃん』とは、勉強が苦手だが運動が得意で元気な「あさりちゃん(小4)」と秀才だが運動オンチでちょっとイジワルな姉「タタミ(小6)」を中心に物語が展開するホームコメディ漫画である。 今にして思えばこれが高度経済成長期の一つの典型的家庭ではないかと思っている。 お母さんはいわゆるオニババ的な顔を持つ存在感のある母であり、父は …
竿頭進歩
野口整体は「整体になる」ということが一応の目標だが、整体になるという完成が本当にあるかというと、やっぱりこれはあってないに等しい あるけれども、ない 整体操法によって整体になる、といえば聞こえはいいけれどその実なにをやっているかと言えば、日常的に作られる「偏り疲労」を解消させるために身体をある方向に刺戟している その刺激はいわば内的秩序をおびやかす、外界からの闖入者なのだ もう少しくだいて言えば、 …