晴耕雨読

自分の整体は晴耕雨読を理想にしているのかもしれない。 平たく言えば「自然には逆らえない」ということだ。 自然にさからうと同じつよさで抵抗してくる。 逆らうことをやめると、自然は味方になる。 これほどつよい味方はないだろう。 健康も丈夫も、長い訓練と努力の果てにようやくそうなるのではない。 視点を変えればそこに健康は現れるのだ。

むりしないほうがいい

この仕事をして、つくづく無理は禁物だと思うようになった。 いわゆる「病気」というのはみんな無理がたたったものだが、じゃあ無理ってなんだろうと考えると、その定義はなかなか多様になりそうだ。 私が思うに「自分に対する背き」、これが無理である。 本当はこうしたい、だけどそうできないのが世の中だ。 だからどうしても自分の本心良心に背いた言動が求められるのが実社会の常で、これがいわゆるタテマエ社会である。 …

快剣掃雲

人間にはおよそ7歳くらいまでに、大きく方向づけられた観念がある、と思う。 それは意識の底に潜在する、その人なりの価値観といってもいい。 その観念が身体を形成し、その形成された身体がその身体に適う生活を生み、一日一日と、独自の人生を創造していく。 もしもその生活に美しさがないとすれば、それは身体の偏りを意味し、またそれは潜在する観念が心の自然を覆っていることを意味する。 整体操法は、そういう自然の美 …

風に吹かれて

整体とは、身体を整えてよりよく生きる教育である。 こう言うと何かわかったような気になるけれども、「よく生きる」ということを深く考えてみると、個人個人で思い描く理想はずいぶんと異なるのではないだろうか。 人によっては、いわゆるアメリカンドリームの影響をにおわせるような、幸福と富の追求こそが「よく生きる」だと思われる方もいるかもしれない。 これは資本主義社会における一種の宿命なのかもしれない。例えば自 …

キャリア

気がついたら開業8年という微妙なキャリアになった。 これが10年になると「ぉー」という感じもするけれど、さりとてフレッシュなわけでもなく、自分としてはどっちつかずな感じがする。 それはそれとして、8年やってわかったのは人間が治るのに要する歳月である。 それこそケースバイケースなのだが、それでも「この人だったら3年くらいでこうなるかな」、「この人は1年くらいはこうで、4年くらいで大体こうなってくれば …

坐禅・活元運動の会 2018.5.26

今日は坐禅・活元会でした。 いつも通り坐骨・骨盤の用法と意識の関係性いついてご説明してから、2炷坐りました。 そのあと本日はイレギュラーに足指廻しと股割り、腰割りで股関節を刺戟して、自律神経を整える動作を行いました。 活元運動も平常通り。 毎度、何でもないようなことなんだけど、深いリラックス状態にもっていくにはとても有効なカリキュラムだと自負しております。 来月の予定は近日公開いたします。 志ある …

生きがい

1年ほど前だろうか。たまたまバスで乗り合わせた女性と世間話に花が咲いた。 脳溢血で若くして亡くなった恋人の借金を5年にわたって返し続けているという、なかなか数奇な人生を聞かせていただいた 現象だけをみれば決して笑えるような話ではないのだが、その方があまりに充実した笑みをたたえながら自分の境遇を話されるのでつよく印象に残ったのである。 お話をずっと聞いていると、その男性とは長く付き合ったが結婚したわ …

軸とか体幹、そしてインナーマッスル、そういうものが注目されて久しい。 この辺が弱ってしまうと、骨盤の位置は下にさがっていくるし、お尻は重く感じる。その分だけ動作もおっくうになる。 いつも書いているけれども、現代は座り仕事の人はほとんど身体を動かさない生活になる。 筋力の中でも胴体の中心側が弱ってしまうと、まず呼吸が浅くなるし姿勢も保てない。 軸感覚というのが希薄になってしまうのである(現代は最初か …

不登校

自分が小学生の頃はほぼ皆無だったが、現代は不登校児童の話を聞くことが増えた。 せい氣院には学校の先生もお見えになるので、少しだけその辺りの情報を漏れ聞くことができるけれども、言ってみれば一つの教室にそういう児童が一人以上いるのが当然という風潮である。 職業柄、興味のある分野でもあるし日々いろいろな方とお会いするので、何故そのような世相になっているのか自分なりに思いあたるフシもある。 実際、年に1、 …

食息動想

人間の健康を保つ上で「食息動想」の四つの概念を考えよう、という教えがある。 操体法という気持ち良さを基準にする施術を生み出した療法家、橋本敬三先生の思想である。 読んで字の如く食事と呼吸、そして動作、想念、これらの4つ全てが整うことではじめて身体が安定すという話で、言ってみれば四輪車のタイヤだと思えばいいだろう。 どれか一個でもパンクしていたら、他の3つが問題なくても車はまっすぐ走れないのである。 …