軸とか体幹、そしてインナーマッスル、そういうものが注目されて久しい。

この辺が弱ってしまうと、骨盤の位置は下にさがっていくるし、お尻は重く感じる。その分だけ動作もおっくうになる。

いつも書いているけれども、現代は座り仕事の人はほとんど身体を動かさない生活になる。

筋力の中でも胴体の中心側が弱ってしまうと、まず呼吸が浅くなるし姿勢も保てない。

軸感覚というのが希薄になってしまうのである(現代は最初からない人が多いけれども‥)。

だからこそ体幹トレーニングなるものの需要があるのだが、整体をやっていくとそういう物理的な軸とは別の軸があるような気がしてくる。

うまく表現できないけれども、精神の軸とでもいうような目に見えない気の線のようなものが生じれば、その整体操法はまずまずの成果が上がったと思う。

非常に観念的なんだけれども、そういう時には操法を受けた人の中にも「うん、これだ」という目に見えない合意が感じ取れる。

物理的な中心軸だけにこだわるならば、世の中には腰の曲がったおばあさんもいれば側彎症の人もいるわけで、こういう人たちに軸を形成することはあきらめねばならない。

ところがやってみると、生きている人間には平等の「何か」、人を選ばない根源の力があることがわかってくる。

言ってみれば「たましいの力」とでもいうか、生命そのものに見えない無限の力が備わっているようだ。

これが活性化するときに、腰椎が立ち身体に気の柱のようなものが立ち昇ってくる。

無論、物理的な体勢も無視はできないのだけれど、それが全てではない。見えないものの中に大切な何かがある、という視点があるとそれだけでも自分の可能性を信じて成長を楽しめる気がするのだ。

苦境に直面した時に、状況よりも自分の身体を内観してみよう。はたしてそこに「生命の軸」は感じられるだろうか。