二〇〇〇年のカラダ文化 最近、自己の存在の希薄化がしばしば問題にされる。自分がしっかりここに存在していると事感じられるためには、心理面だけでなく、身体感覚の助けも必要である。現在の日本で、自分の体に一本しっかりと背骨が通っているということができる者はどれだけいるであろうか。あるいは、「腰が据わっている」や「肚ができている」や「地に足がついている」といった感覚を自分の身において実感できる者はどれだけ …
鎧化する身体
アレクサンダー・ローウェンの記事を読まれた方からご質問をいただいた。鎧化した身体という表現について実際に「どのような状態なのか」とのことであった。実は以前にも同様の問い合わせがあったのだが、表現が独特なので気になられるのかもしれない。元を明かせば「アーマリング」の日本語訳である。平たく言えば慢性肩こりもその一例だ。 改めて『引き裂かれた心と体ー身体の背信』を読み返してみると、整体指導の目的と核心を …
わけられない
河合 無限の直線は線分と1対1で対応するんですね。部分は全体と等しくなる。これが無限の定義です。だからこの線分の話が、僕は好きで、この話から、人間の心と体のことを言うんです。線を引いて、ここからここまでが人間とする。心は1から2で、体は2から3とすると、その間が無限にあるし分けることもできない。 小川 ああ、2.00000・・・・・。 河合 そうそう。分けられないものを分けてしまうと、何か大事なも …
傍らにいること
傍らにいること 河合 カウンセリングは、ちゃんと話を聴いて、望みを失わない限り、絶対大丈夫です。でも、例えば「先生、次は学校行きますよ」「嬉しい、良かったね」っていうやりとりが何度あっても、やっぱり行けない。それでこちらが内心望みを失うとするでしょう。そうしたらもう駄目なんです。「アカンかったわ」と言われた時に、こちらがちゃんと望みを持っていることが大事なんです。 小川 まだまだ大丈夫っていう、望 …
青い鳥
気が付けば整体という生き方に出会ってから10年余り経った。今にいたって一般の方の病気観・健康観との乖離を味うこと甚だ多くなったと思う。「整体」と言った場合も、その概念をなかなか共有できず難渋する。 今もってなお「治療」を求めて来院される方はいらっしゃるので、やはり「整体」とは身体を外部から刺戟することで「護り・庇い・治すもの」という印象が根強いことに間違いはないのだろう。 しかし身体をずっと諦観し …
2月 活元会の日程 (2017)
2月の整体教室をご案内いたします。内容は引きつづき「整体という生き方」を学ぶための坐学と、活元運動の実修を行います。 ■日程・場所 2/2 (木) 坐学・活元 大口 2/11(土) 坐学・活元 白楽 2/16(木) 坐学・活元 反町 せい氣院 2/25(土) 坐学・活元 白楽 ■時間 9時45分~12時15分 ■参加費 2,000円 ■初めての方へ 詳しい場所についてはお申し込みの際にお教えいたし …
1月 活元運動・坐禅教室
1月の教室を下記の日程で開催いたします。内容は坐禅と活元運動の実践と、「整体という生き方」を学ぶための坐学を行ないます。 ■日程・場所 ○1/5 (木) 坐学・活元 大口 ○1/10(火) 坐禅・活元 せい氣院 ○1/14(土) 坐学・活元 白楽 ○1/19(木) 坐学・活元 大口 ○1/24(火) 坐禅・活元 せい氣院 ○1/28(土) 坐学・活元 白楽 ■時間 9 …
12月 活元会
12月の活元会を下記の日程・内容で行います。 ■日程・場所 ○12/10(土) 坐学・活元運動 9:30-12:30 反町(せい氣院内) ○12/20(火) 坐禅・活元運動 9:30-12:30 反町(せい氣院内) ○12/24(土) 坐学・活元運動 9:30-12:30 白楽(公共の和室) ■参加費 2,000円 ■服装 シャツは白系を基本といたします。ズボンは色柄可。できるだけ柔らかくてゆるい …
白楽活元会
先週の土曜日は久しぶりに家の外に出て活元会を行った。白楽駅から程近い16畳の和室は明かりの調整が自在で利用しやすかった。 今回は初めての方にご参加いただいたのだが、いつも新しい方がお見えになると活元運動の効能をつぶさに感じることができる。続けていると一種独特の身体になってくるのだ。自然は自然なのだが、そこにもう一つ「秩序」を感じられるようになってくると、少し成果が上がったと見ていいだろう。 それと …
この世界の片隅に
先だって妻と映画を観に行った。『この世界の片隅に』。よく考えてみたら妻と二人で映画を観たのは今回が初めてだ。 戦時中の広島と呉が舞台である。何と言ったらいいか、タッチはやさしい、が凄惨である。兎に角、当時の「一般家庭」とでも言おうか、事実をそのまま、本当に「そのまま」それも綿密な取材を積み重ねて仕上げられた作品だ。 個人的には観て良かったと思うが、どなたにもおすすめ、とは言いがたい(とくに小さいお …