坐禅と活元運動の会

zen2今日は午前中は個人指導、午後は坐禅と活元運動の会をやりました。

坐禅が静止して行う「静」の禅なら、活元運動は動きながら行う「動」の禅です。両方が相乗的に身体をゆるませて身心の静寂を確立することを期待しています。

心を静めるだけなら坐禅で充分、と言えなくもありませんが・・・、「禅病」という言葉もあるくらいですから身体が固い人が無理やり坐りつづけると時として健康を害することがあるのですね。

禅病には身心両面、いろいろな症状が挙げられます。

一般には頭痛や吐き気などが多いらしく、精神的にはいわゆるノイローゼに似たような状況になる方もいるそうです。実際そのような方にお会いしたことはないのですが。

考えられるのは背骨の上部(肩甲骨より上)から首にかけてゆるみがしっかり進んでいないと、やればやるほど身体が硬直して悪想念に見舞われる可能性があります(「うつ」的になる)。

一般の坐禅会などに行くと、身体が偏ったまま、首を固くしたままやられている方が多いのですが、これで結跏趺坐など組んだら身体はますますリラックスとは逆の方向に行ってしまうでしょう。だから身体を個別に丁寧に見て、余分な力を抜いてもらうようにしていけば良いと思ったのです。

それだったら「活元運動で充分身体をゆるめてから坐禅をやったらどうか」、と何度か自分で実験的に試みたのですが、活元の後は弛緩し過ぎてこれから「坐ろう」などという気がなくなってしまう・・。だから「坐禅→活元」という流れにしたのですが(まだまだ改善の余地はあります)。

話は「姿勢」に戻ります。とにかく首の「ゆるみ」を大事に考えています。アレクサンダー・テクニークなどにもあるように首をやわらかくして、両耳が両肩から上に上に向かって離れていくように使っていきます。

ポイントは力まないこと。禅を組むならば、何より先ず身体から一切の筋緊張を排除すべきです。

だから伸ばすのではなく伸びてく、伸ばされているように使う。ここが大切。

あとは参加者ごとに個別に対応しなければなりませんが、ここら辺が整体院ならではのメリットになればと考えております。

しばらく継続してご参加いただいた方のフィードバックや身体の変化を見ていきたいと思います。骨格のホームポジション(基底位置)が正しく確立されれば、整体指導を受けた時の「着地点」が良いところに定まっていくはず。

力まない、けど「芯」がある。しなやかな心と体を養える整体院を目指します。今月はもう一回、8/27(土) に活元・愉気の教室を行います。

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8月 活元運動の会

8月の活元会についてご案内いたします。

■日程
8/14(日)  14:00-17:00(坐禅・活元)
8/27(土)  10:00-13:00(活元・愉気)

■場所
横浜反町 せい氣院

■料金
各回3,000円
※当月・前月に当院の個人指導を受けられた方は2,000円

■服装
白系の柔らかい服装をご用意ください(インナー着用可)。

■内容
8/14は活元運動の前に静坐して禅を組みます。意識の鎮静を味わうために、ゆっくり息を吐いて、全身のゆるみと腰の自然な伸びを創ります。

8/27は活元運動の後に愉気(手当て)の実習を行います。統一した身心と柔らかい手で触れる感覚を訓練いたします。

初めてご参加を希望される方は、一週間前までに「予約・お問い合わせページ」のメールフォームよりお申し込みください。その他の方は前々日までにご参加の旨をご連絡ください。

以上、宜しくお願い申し上げます。

野口整体 せい氣院
朝比奈洋介

7月 活元会

7月の活元指導の会についてご案内いたします。

・日時 7月30日(土)10時30分~13時00分(10時より受付)
・場所 せい氣院内
・費用 2,500円(当院初めての方5,000円)
・内容 坐学・活元運動
・終了後は茶話会を用意しております。(自由参加・14時頃まで)

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■内容

活元運動は人間の生理機能を無意識的に整えている錐体外路性運動系の訓練を行います。身体のすみずみまで脱力して、意識が深く休まることで身体は自然と整います。また、よく整った身体は良質な精神活動を生みだしますので、活元運動を続けていくことで身心ともに健やかな状態を自分で保てるようになります。

■お申し込み

初めて参加を希望される方は1週間前までに、HPの「予約・お問い合わせ」画面より必要項目をご記入のうえお申し込みください。その他の方は、前々日までにメールにて参加の希望をお知らせください。

野口整体 せい氣院
045-321-2521
info@seikiin.com

神仏の正体

私がお話するのは、いままでの学問的な考え方だけでは考えきれない体の問題なのであります。私たちの胸の中に肺臓と心臓があるということはどなたもご存じですが、それを動かしているある働きがあることには気がつかないでいる。例えば、恋愛をすれば食事がおいしくなるし、好きな人に出会えば心臓が高鳴ってくるが、借金をしていると食事もまずいし、顔色も悪くなってくる。このように恋愛とか借金とかいうものによって生じてくるある働きと、肺臓とか心臓とかいうものが関係ないとはいえない。ところが胸の中を解剖してみても、レントゲンでいくら探してみても、そういうものは出てこない。だから人間の生活の中には解剖してしまったら判らない、また胃袋とか心臓とかいうように分けてしまったら判らないものがある。電報一本で、途端に酒の酔いが醒めてしまうこともありますが、どういうわけで醒めるのか判らない。その判らないもののほうが、却って人間が健康に生きて行くということに大きな働きを持っているのです。(野口晴哉著 『健康生活の原理』全生社 pp.3-4)

生き物を生かす不思議な力

サムシング・グレートとは、具体的なかたちを提示して、断言できるような存在ではありません。大自然の偉大な力ともいえますが、神といってもいいし、仏といってもいいような存在です。とらえ方は自由なのですが、ただ、私たち生命体の大本には何か不思議な力が働いていて、それが私たちを生かしている、私たちはそれによって生かされている、という気持ちを忘れてはいけないと思います。(村上和雄著 『スイッチ・オンの生き方』 致知出版社 p.90)

活元運動を指導し始めて6年余りになるけれども、「活元運動をやると、何がどうなるのですか?」という直接的な質問を受けたことは一度もない。

何だかわからないけれども、お集まりいただいて、手を当て合って、活元運動をして来た。

ところがこの「何だかわからない」というものの中に、生命の働きが内包されている。人の頭でわかるようなものは精々その程度なのだと思ってしまう。

人間が生まれる、ということ一つとってもその活動の実体はほとんどわからない。

一個の生殖細胞がおなかの中で数十兆に膨れ上がり、「その時」になると陣痛がはじまって外界に現れる。

何故そうなるのか、それがわからない。わからないまま、人類創生以来、ひとつも困ることなく命を継いできた。

文明生活はそのわからないものを暴こうとして、生命を捏ね繰り回し、難解にし、調和に抵抗してきた。

調和させよう、させよう、という絶え間ない知的探求が、自然の精妙な均衡を脅かしてきたのだ。

それならば、その「わからないもの」をわからないまま、煥発して、ぐんぐん生きて行く方が都合がいいのではなかろうか。そういう考えが沸いてくるのも自然であろう。

元来、祭りや舞踊、歌にはそういうちからがある。

ただそれには、文化や風土、宗教観、時代性、地域性、いろいろなものが付随してくっついてくる。それらは、相互に対立や矛盾を生む可能性も孕んでいる。

人の「考え方」というものには、対立が付きまとうのだ。

そういういっさいの付属物を剥がし、純粋な生理機能に濾過したものが活元運動であると言っていい。

生き物は、生まれた瞬間から、絶えず「そういう風に」動いている。

何故かはわからない。

わからないけれども、わからないことで一つも困らない。

不自由もしない。

知ろうとすれば、わからなくなる。真を求ればたちまち真に背く。

わからないままでいい、というと全てがわかるようにできている。

むずかしいことは一つもない。

五官に任せれば、全てが一度に手に入るではないか。

感じて動く。

生命体とは、感じて動く感動体なのだ。

認識には誤りがある。

感じ方に間違いはない。

神も仏も、みんな、はじめから生命に宿っている。

その光が、そのまま現れるようにすればいい。

そのためにどうすればいいかも、自分のいのちで感ずればわかるようになっている。

発病の原理

ガンになる遺伝子も、高血圧になる遺伝子も、人間は誰でも持っているのです。ガンの遺伝子を持っているというと非常に悪いイメージを抱くと思いますが、これらの遺伝子は何も病気を引き起こすことを目的としているわけではありません。身体にとって必要な遺伝子であり、細胞の中でおとなしく調和していれば、何も問題はありません。

ただ、それがなんらかの原因で一定水準を越えて増殖してしまうと、病気として現れてくるのです。(村上和雄著『スイッチ・オンの生き方』致知出版社 p.53)

西洋医療にみる難病・奇病について専門書をあらってみると、発病のメカニズムはわかっていても根本の原因についてはよくわからないことが多い。

「それが何らかの原因で」そうなる、と括られていることがほとんどだ。

本来なら原因がわからなければ対処のしようがないはずなのだが、病気の苦悩を目の当たりにするとどうしても表面的な症状の除去に流れて行ってしまう。

ところが医原病という言葉が示す通り、発症しているものを人為的にプッツリ止めてしまうことは生命の秩序を脅かす、危険な行為なのだ。

「病気は命を脅かす悪いもの」という固定的な観念が払拭されない限り、遺伝子工学の医療的発展は近々頭打ちになってしまう。

ボタンの掛け違いというよりも、袖を通す以前の間違いに気づいたうえで再出発が必要だ。

お釈迦様は「病気は衆生の良薬」と言ったそうだが、病気は生命保持の安全弁、時にこれが最後の砦ともなる。

疾病は調和を欠いて起こるのではない。

実際は人間的な精神活動の偏りを正すのが身体上の病であり、疾病そのものが自己の身心と外界との調和を恢復する働きなのである。

これを理性から出発した科学的処置によって自然の調和力に抵抗をしているのが、現代広く行われている「治療」の実体だ。

理性が過剰に働いているうちは、いのちの妙を感じることはできない。人の為すことは偽りであると知り、無為の力に目覚めよう。

そのためにむずかしい方法が要るのかというと、そんなことはない。ポカンとして身体の自然の動きに任せるという、それだけでいい。簡単な話なのでありがたみがないのだが、真理はいつも近すぎて見えない。逆に目を閉じた方が判るのではないか。

手を着けない

「整体」というのは、一つの完成形だ。「整っている」ということがどういう状態を指すのか、個人で研鑚すべき処である。

道元禅師の有名な言葉に「仏道をならふというふは、自己をならふなり」というのがある。「自分という活動体が一体どうなっているのか」がわかれば、この世のあらゆる問題事は「今、この場」で決着がつくようになっている。

これを「健康」という観点から言えば「腰の調子が悪い」、「病気がなかなか治らない」という所が自己探求の入り口になるのだが、「治そう治そう・・」といじくりまわしている間は既に治っているはたらきが見えないのだ。

言ってみれば一番高尚な方法は、手を着けないということになる。ところがそう聞くと途端に「手を着けない」という着手がはじまる。

自然経過というのは、こちらから何かをして「経過をさせる」訳ではない。何もせずに経過させられるように、心胆を練っていく。人間にはそれができるようになるための訓練が要るのだ。

本来自然であるはずの人間が、活元運動を修るのはそのためである。自然を信じきれないうちはつい手を着けたくなるけれども、その疑念や、心配する心の働きにもやはり自然の相がある。

健康とはこれから工夫を費やして作るものではない。着眼を正せば、いつでもそこにあらわれる。理性の完全休止、ポカンとすることを解くのはそのためなのだ。その着眼、着手と離れれば、既に解脱の境となる。

斯様に自然というのは、はじめから、誰にも等しく与えられている。この世には、これからなるようなものは一つもない。〔今〕に信が及べば、それでいい。信じようと信じまいと、人間は本来無事なのである。

6月 野口整体を学ぶ活元会

今月の活元指導の会についてご案内いたします。

・日時 6月25日(土)10時30分~13時00分(受付10時より)
・場所 せい氣院内
・費用 2,500円(当院初めての方5,000円)
・内容 坐学・愉気(整体操法の実技)・活元運動
・終了後は茶話会を用意しております。(自由参加・14時頃まで)

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■内容

先日の記事に書きましたとおり、今月は活元運動に加えて整体操法(化膿活点)の実習を行います。梅雨時のむくみ解消と、虫刺されなどの処置に使える整体の技術です。また技術以前の「整体操法の心」を学べるように、教材となる資料を用意します。型の手順を覚えても、生命に対する礼を欠いては整体とはなり得ません。人にふれる際に必要な、「心・技・体」を創るための練習をいたします。

■お申し込み

初めて参加を希望される方は1週間前までに、HPの「予約・お問い合わせ」画面より必要項目をご記入のうえお申し込みください。その他の方は、前々日までにメールにて参加の希望をお知らせください。

野口整体 せい氣院
045-321-2521
info@seikiin.com

活元会

今日の座学では「体癖」を扱いました。

野口先生の『体癖 第一巻』から資料を用意したので、みなさんで音読を・・・の予定でしたが、今回は骨の模型を使ってざーっと1~10種類の体癖についての解説になりました。

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やっぱり野口整体は意外と知られていない、と言うか、ニッチ産業なのだと再認識。体験重視でやってきましたが、今後は教学も合わせて励行しようと思います。

もちろん活元運動もしっかりやりました。

来月もつづきもので、『体癖』を教材にする予定です。

次回は、6月25日(土)です。

ご参加いただいたみなさま、おつかれさまでした。

5月 野口整体を学ぶ活元会

今月の活元指導の会についてご案内いたします。

・日時 5月28日(土)10時30分~13時00分(受付10時より)
・場所 せい氣院内
・費用 2,500円(初回3,000円)
・内容 坐学・活元運動・行気法(正坐での呼吸)
・終了後は茶話会を用意しております。(自由参加・14時頃まで)

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■坐学の内容

今月の教材は野口晴哉先生の『体癖』から資料を用意して音読をいたします。

体癖とは野口先生が整体指導の場で多くの人を見て触れて観察した経験をもとに、「身体の形」とその人独自の「感受性傾向」を10種類にまとめたものです。

整体特有の人間理解の方法ということになりますが、今回の坐学では「自分の体癖を知る」ということよりも、感情エネルギーと身体に現れる動作や疲労とのつながりを理解できるような内容を扱う予定でいます。

「心と体」が実際どのように相互に作用しているのかを体験的に理解を深めることは、自分自身が「どう動けばいいのか」、ひいては「どう生きればいいのか」を知るための大切な指針となるはずです。

当日は質疑応答もできるだけお受けしたいと思います。日頃から「体癖」に関心、疑問をお持ちの方はお越しになられた際にお訊ねください。

■お申し込み

初めて参加を希望される方は1週間前までに、HPの「予約・お問い合わせ」画面より必要項目をご記入のうえお申し込みください。その他の方は、前々日までにメールにて参加の希望をお知らせください。

よろしくお願いいたします。

活元会

今日は活元会でした。ご参加の皆さまおつかれさまでした。

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2009年の開業からこの活元会はこつこつとやってきました。月日とともに変わったと言えば変わったし、変わらないと言えば何も変わっていません。

野口整体に興味を持たれる方のおかげで、淡々と続いてきました。これからもこつこつやって行こう、ということで来月もやります。

日時)5月28日(土) 10時30分~13時00分

よろしくお願いします。