かかと

木村多江さんの『かかと』を読んだ。

かかと

30代をすぎてご自身のかかとの手入れをしているときに執筆を思い立ったとのこと・・。役者を志して順風満帆ではなかった20代の苦しかった想いなどがつづられているのですが、あまり暗くなくて、ちょっとユーモラスで楽しかったです。眠れない夜に長々妄想する話とか、仕事でつらい時に家の中でうおぉぉと叫んでいたとかそんなエピソードをお話しされてます。

タイトルにもなってますが本文中の「かかとは心のサイン」というくだりが気になって読みました。

それというのも整体では女性のかかとがカサカサしてきたら骨盤を治していくのです。野口整体の『女である時期』という本に骨盤とかかとの状態の関係性を綴った話があります。骨盤に弾力が戻ると、荒れて硬くなったかかとがみな治ってくるという内容です。

かかとの割れ自体は僕も一度経験した。ある時お風呂上りにかかとのひびに気がついたのですが、直後からある方法で仙骨を鍛え始めたら間もなくしてかかとの割れは消えてしまった。男でもかかとの状態は侮れないのだとこの時、知ったのです。かかとには腰の状態、というか身体の裡の勢いというのが現れるのだ。

(前掲書『かかと』より)わたしの実感では、身体をケアしているだけではだめで、並行して心のケアをしておかないと、効果が薄い気がする。つまり、心がカサカサしていると、かかとも自ずとカサカサになる。心と体はしっかりつながっているようです。

心のゆとりが、身体をつくっている。<中略>かかとは心のサイン。

心のゆとりが、身体をつくっている。とは真理な気がします。すこし、がんばりすぎている方にお勧めしたい一冊。とても良い本でした。