昆虫記

昆虫記 (まんがで読破)Book昆虫記 (まんがで読破)

著者:ファーブル販売元:イーストプレスAmazon.co.jpで詳細を確認する

まんがで読破シリーズというのを人からお借りして読んだ。原書のファーブル昆虫記は全十巻だそうなのでなかなか読めなかったのですが、これは一冊の漫画になっていて短時間で読めてとても面白かったです。

野口晴哉さんの著作『整体法の基礎』の中に、ある種のハチがエサにするクモの中枢神経を刺して仮死状態にするという話が出てくる。特筆すべきは

  • ハチは誰にも教わっていないのにエサにするべきクモの種類を知っている。
  • ハチは誰にも教わっていないのにクモを仮死状態にするために運動中枢のありかを正確に刺す。(死んでしまうと腐ってしまうのでハチが卵を産みつけても孵らない。)

という二点。昆虫を興味を持って深く観察し続けた記録が、生き物の世界を支配する「本能」の存在を如実に示す結果になった。では、この本能の正しい命令はいったいどこから来るのだろうか…?ということが今の人間にはわからないのだ。

「どこに愉氣したらいいのか本能は知っている」というのは僕の整体の先生からお聞きした野口先生の言葉だった。調律点(整体で言う体の急所やツボのようなもの)を押さえる稽古していても「どこですか、、、?」とまさぐっているうちはそのありかがわからない。氣を鎮めて指先の感覚があるレベルに達すると、もう知らずに押さえている、というのが正しいように思う。

便宜上稽古をする上で「だいたいこの辺にある」という情報は必要なのですが、頭で考えているうちは不思議とわからないんですね。やっぱり心を澄まして、整体の天心というものでしょうか、無理なく本能が現れる状態にもっていく必要があるのかもしれない。

活元運動が最近、その本能を表出させるための訓練法だと思い始めた。愉氣と活元と整体操法は僕の整体の技術を支える三本柱となりつつある。もともとそうなるように野口先生がセットされたものかもしれない。そうでないかもしれない。「野口整体」の解釈も人それぞれなので…。ただ僕にとってはこれらの技術は、とても、うれしい存在、とても、ありがたい存在、といったらいいのかなあ。この本能の力を大事に修行して世の中のために役立てたいんですね。