足の裏は語る

近頃横綱、元横綱の動向を中心に相撲のニュースが多かった。僕は身体に興味がある人間だがとりわけ相撲の話には喰いつく、なぜか…。その相撲ネタの一つとして前から横綱の土俵入りの型の四股はなぜ左2回・右1回なのか氣になっていた。

整体で左足というとケガとの関連性を思い出す。左足をケガするときは感情のつかえ、情動との関連を斟酌する。重心の右左差という観点で街を歩いている人を観ていくと左重心の人が多い。どうも左足は相撲の型に限らず軸足としての役割が多いらしい。

平沢 弥一郎著『足の裏は語る』という本には右足と左足には機能的役割分担があるということが記されていた。数多の調査によると足の裏の面積比率は左足の方が大きいという。

また左右の重心比の統計をとった結果、排尿の時は無意識に左足に体重が掛っていることが多いとも記されていた。逆に意識的に右足に重心を掛けると小水の出が悪いということだったそうだ。

奇しくも整体操法では排尿の急所は左足の内ももとされている。尿の出が悪い時ここにじっと愉氣をする、またはそこの筋をはじくようにすると利尿作用がある。おしっこを我慢すると内股でもじもじするのもこの辺と関係があるのだろう。

日本の芸道における型とは身体の中の自然が表に現れているものだった。お相撲の型が左右対称でないのもこういった身体感覚に由来するのかと、なんとなく腑に落ちた。