審美眼

昨日のブログ記事に関連してミツコに訊ねられた。「肩が落ちてると、肩を落とすは別ものだよね?」という話だが、整体というよりも国語の疑問であった。肩を「ガックリ」落とすということになると、これは「失意」を現しているので、あまりいいとは言えないだろうな。その場合は「落とす」とも言えるが、むしろ肩が胸の方に巻いているのだ。当然猫背にもなるし、眉間も固くなる。いい空想も出てこないし、腰だって伸びない。生きている身体はどこもかしこもそうなのだが、「部分」は「全体」を雄弁に語るのだ。

件の女性の写真では、もちろん「肩を落とし」ているのではなく「下りて」落ち着いている。呼吸も深い。何より上品だ。当然のことながら「撮影」を意識しているので、「不自然」なのだが、その不自然さの中にも自然の動きが見えていて美しいな。詳しい事情は知らないが、要求が素直に生活に現れている人なんだと思う。自然の健康は必ず「美」として現れる。本物は美しいのだ。