和裁のススメ (横浜の教室)

仕事着にしている作務衣風の着衣について時々、「どこで買うのか」と聞かれる。あっひーがいつも着ているのは横浜にある「山本きもの工房」さんのお品です。

見る人が見ないとわからないかもしれませんが普通の作務衣とはちょっと作りが違うんですね。僕としてはお作りになった方の心意気に惚れ込んでいるのです。「洒落」というか「粋」というのは型に習熟した人があえてそれをわずかに「くずす」ことでうまれる。非常にデリケートな審美観に立脚したものだ。失敗するとエライことになるが「お洒落とはこれでいいのよっ!!」という強烈な氣迫でするものです、という美輪明宏氏の至言を味方につけてそのままセブンイレブンにいったりもする。

野口晴哉さんは整体の仕事を終生羽織・袴で通された話が有名だが、それは生命に対する礼として明治生まれの方が選んだ型だったという解釈が一般的らしい。かつて野口先生が「病気になっても、生きる人と、そうでない人はなにが違うのか?」という問いを受けて、一言、「それは、美の感性(を持ち続けているかどうか)だ・・。」とおっしゃったそうだが、その袴姿はなんとも流麗だったと語り草になっている。

話は戻るが山本きもの工房さんは横浜東急ハンズの裏手にあるのでアクセスしやすい。お邪魔するとお教室をやっていたり、お仕事の作業場が見れるようになっているのでプロの職人の波動を浴びて「俺も頑張んないとな!」という氣にさせていただく。いつもお茶を出していただいて長話をしてしまうのですが・・。いわゆる職人気質というと近寄りがたいイメージがあるのですが、どの世界でも一流というのは物腰柔らか、謙虚な人が多い。工房の山本先生もまた然りといった方なのです。

和裁、衣、を通じていろいろと社会に貢献されているのですが、お教室に通う女性が布とのコミュニケーションを通じて新しい世界が拓けたていったりと、この世界なりのドラマがあるのかもしれない。

あまり宣伝はされないそうですが、知名度のある文化人の方も利用されているそうです。あっひーのぶろぐ程度ならさほど影響はないと思うので書いてみた。そしてちょっとは影響があってほしいとも思う。心ある方には日本の上質な伝統文化に触れてほしいんだ。

山本きもの工房→http://blog.yamamoto-kimono.jp/