咬合

咬合(こうごう)というのは噛み合わせのことだが、最近歯と姿勢の関連を注視して身体を観ていた。

自分の噛み合わせには癖があるので放っておくと肩や腰の平衡は欠けてくる。空手や整体をやるうちに知らない間に解消されたのだが、咬合研究はこうした実体験にも則しているので興味も湧くし、人の異常にも気が付きやすいのだ。

勉強も兼ねて咬合治療に特化した歯科医を数件訪ねてみたところ、医者の見立てと自分自身が感じている全身的な偏り癖というのはおおむね一致してる。

中でも卓越した医師が「左脚をケガしませんでしか?」というのには唸った。ましくその通りで僕は10年前に左膝の前十字靱帯を切っている。大した技術だとその探求心に感心したのだった。

歯の研究では「全身咬合」といって身体上に現れるあらゆる疾患は咬合の修正で治癒できるという考え方すらあるようだ。個人的には大いに賛同するも、それじゃあ自分が咬合治療を受けるかというと「ノー」である。歯科医というのは咬合を原因とみているのに対し、整体の技術者は歯並びは結果であるとみるからだ。

野口先生の著作には成長期の子供の出っ歯やアンダーショットを腰の調整によって正すというエピソードがあるのだが、この場合出っ歯が引っ込んだのは腰を正したことによる随伴現象である。結局この問題が歯から始まって腰に至ったのか、腰から歯に至ったのかはわからない。

基本的には「肉体のカタチ=気のカタチ」という考え方のもとで整体を行っているので、全身何処に異常を読み取っても真に正すべくは気であり、心である説いて、自ら活元運動を励行し人にもこれを指導する。

本来は咬合治療など受けないで済むように育つのが理想だが、偏って成育した場合、実際のところどうしたらいいのかはまだ判らない。最終的に何を選ぶかは個人の趣味嗜好の問題で、自分にとっての歯列矯正には「多少の可能性を感じる」という程度のものなのだ。自分の整体で何がどこまでできるのか、もう少し研鑚してから慎重に落としどころを見極めたいとは思っている。