野口整体は愉気という気の集中・運用法が全ての技術の基になっています。なので愉き法を理解することが整体をやる上で最初の最初にあると思います。
野口先生の本には愉気の説明がいろいろな角度から何度も何度も出てくるので、知識として理解を進めるには先生の著作を読むのが一番確実です。
中でも『健康の自然法』というのは最初の著述に愉気について集約された部分があるのでちょっと書き出してみます。(この本は現在のところ絶版なのです。以下引用)
愉気って何だという質問だが、人間の氣力を対象に集中する方法だ、と考えたら良かろう。人間の精神集中は、その密度が濃くなると、いろいろと、意識では妙だと思われることが実現する。
穏やかな太陽の光でも、集中すると物を焼く。光はレンズで捉えるのだが、気は精神集中によってちからとなる。
それ故、愉気するには高度な精神集中の行えること、恨みや嫉妬で思いつめるような心でない、雲のない空のような天心が必要である。
(以上)
自分の経験でも愉気がピタッと決まるのは頭に余計な考えが浮かばないで瞬間的に没頭できるときです。集中力の密度というのが力の有無を分けるのは間違いないです。
集中力というのだから訓練によって愉気は高めていくことができるのですが、命の尊さをわきまえていれば自ずと気の密度は増してくる。
こういう角度から、気と生命の理解が進むことが本当の人類の進歩じゃなかろうかと思っています。