「薬をやめる」と病気が治る

安保徹氏の免疫学は整体のスタンスを擁護する内容なので来院される方にはよく奨めている。氏の著書『「薬をやめる」と病気が治る』は投薬と自律神経のバランス、肉体の免疫力や病気に対する抵抗力の関係性を科学的に説明している。

安保氏の免疫理論の中でも消炎鎮痛剤やステロイド剤は自律神経のバランスを崩してしまうので、結果的に自然治癒力を弱めてしまうことが書かれている。

またイギリスのエネルギーヒーラー、ベティ・シャイン氏の著書『スピリチュアル・ヒーリング』(英題:”Mind to Mind”)には「薬はすべてのエネルギー体を体の正規の位置からずらす作用を持っている。薬を飲むと心のエネルギーは押し上げらるので、その人は肉体からわず

切り口は違うけれども、薬にはいわゆる「全体性」というものを損なわせる働きがあるということで、共通した意見だろう。

それにしても「野口整体とは薬を飲まない」が一人歩きしているようなのが現状で、年に2~3回かはお越しになられる方からは「整体指導を受けながらでも、薬は飲んでいいですか?」と訊かれる。わたし自身は身体的に苦痛や不具合があって、投薬治療が是非に必要な方なら有効に利用すべきだと思う。

遅かれ早かれ「体が整う」ということが理解できてくると、医療のお世話になる必要度は自然と減っていく。整体法をやることが精神的ストレスになることのないように気をつけたい。

根本的には身体を敏感にすることで「裡なる要求」に気づき、その実現のために生きるのが整体法の目的である。「薬がどうの‥」というのは実はどうでもいい。指導を受けに来られる方に核心を掴んでもらえるように精進しようと思う。