今日は活元会でした。年度末の土曜日のせいかご参加が少なかったので、久しぶりに愉気法(手当て)の実習を行なった。愉気は覚えておくと便利です。昔武道をやっていたけど、実生活で護身術として武道を使うことなんてまずありません。だけど人を癒すための愉気はあちこちで役に立ちます。やっぱり沢山の人が覚えておくといいなと思いました。
さて、今日は仙腸関節の話。少し前に来られた方で「仙腸関節が痛い」ということがありました。大抵は右を痛くすることが多いけど、その時は左だったので妙に印象に残ったのです。仙腸関節が痛いとか、ここに違和感があるというのは特にめずらしくない話で、しばらくおとなしくしていれば大抵痛みは消えます。ところがなかなか治らないものは、「原因」が消えていない訳ですね。何らかの事情で仙腸関節の上に位置する腰骨が偏っているということです。
よくよくお話を伺うと、痛めたのは自分でストレッチをした時だという。仙腸関節に限らずストレッチによる怪我は意外に多い。多くの方が見落としがちな所で、血圧にしろ、発汗にしろ、大小便にしろ、身体は9割以上「無意識」が動かしています(野口整体では錐体外路系という言葉ををよく使います)。だから意識的に伸ばしたって筋も腱も伸びないのだ。無意識の緊張をとらないと、本当の柔軟性に至ることは難しい。そのためには活元運動が良いのだけど独習はむずかしいので、仙腸関節を痛めた場合に自宅でできる対応を少し考えてみましょう。
腰痛など骨盤周辺の痛み全般に言えることは、痛みが消えるまで「動かさない」ということです。男の人によくあるのは、早く治そうと思って別のストレッチとか筋トレとかいろんなことをやってくる方がいます。こういうことは全部逆効果になってしまいます。だからそーっとして置く。「何もしないとき身体は全部上手くいく」ということを知ると、これだけで一先ずいろんな失調に対応できます。それから「痛い動作」は絶対しないこと。こわします。
そしてビリッ!としたときの痛みのピークが去ったら、痛い所に蒸しタオルを絞って当てるといいでしょう。5分くらいでいいです。何回か繰り返していれば、2、3日で一応楽にはなると思います。根本治療にになるかどうかは、こわした「本当の原因」によるのでそこからはまた別の話です。この辺りは心理も含めて個別に観ないとわからない。今日のポイントは痛い時は可能な限り動かさないということですね。単純な話だけど、意外とやれてないことが多い。「時」は最高の名医なのだ。