息子(3歳)の保育園放浪記が3園目でようやく落ち着いた。
「子どもが保育園(幼稚園)に行きたがらない」
「行こう、というと泣きだす」
こういうことは世の中にいくらである話だけれども、河合隼雄先生によれば子ども一人一人の中に別々の宇宙があるのだ。周囲の大人にはその一人一人の世界を大切に守る責務がある、という。
これに因んて思い出すのが、サン=テグジュペリの『星の王子様』の冒頭、みんな最初は子どもだったのに子供だったことを覚えている大人はいない、という一節である。
子どもの心がわからなくなるのは、それだけ大人の心と体が日々ストレスにさらされ、鈍ってしまうからかもしれない。
鈍りも身体の防衛反応の一種なので、一概に「悪い」と言えない複雑さが人間には、ある。
野口晴哉は「子どもの目の輝きをよく見てそれを守ること」そして「抱き上げたときの重さ(リラックス度合)をよく感じとること」の重要性を説く。
身体がずっしりと重く感じれば、それだけ安心して、世の中を信じて生きていることがわかる。
大人が整体を保つのは、人類の未来を担う子どもの心に広がる宇宙を守るため、といってもいい。
そういう風に「大切に」されて育った子どもたちが大人になり、そういう大人がまた子どもの宇宙を大切にしていく。
これをくり返せば人間の世の中が少しづつ豊かになっていくはずである。
大それた話になったが、まずは我が子の中にある唯一無二の宇宙を守りたい。
そのためにときどき自分のこころの扉を開けて、光を入れ、風通しをよくしておきたいと思う。