ときどき変に仕事に馴れてしまって、初心の人に「反応」の説明をしなくなってしまう。そういう時に限ってひょっくり強い好転反応を示す方に出くわすから要注意である。
整体操法、活元運動をはじめて行なうとだいたい8割くらいの人が1ヶ月目から3ヶ月の間に反応を起こす。
熱が出たり下痢したりするくらいが定番だが、胆石のような体の中に異物があると場合によってはそれらを急激に体外に出そうとするのである。
『整体入門』からの引用を下に記しておく。
反応の経過で注意すべきこと
反応中は肌着は汚れるし、爪は伸びやすくなるし、ふけは多くなるし、傍へ行くと臭い。中には体内で石をつくっている人などはその溜めている石を、胆石でも、腎臓結石でも、膀胱結石でも、どんどん出してしまう。ただこのような反応期に石が出る場合には、固まりにならないで、臭い尿になることが多いが、ときどき気忙しい人がいて、胆石でも、あるいは膀胱の石まで、固まりのまま出すことがある。膀胱から大豆大の石が出たという人も、胆石で三十六個も出たという人もいました。またバケツに三杯ぐらい下痢をしたとか、鼻水が洗面器に一杯出たとかいろいろありますが、ともかく排泄反応まで来れば、もうよくなると安心できるのです。(野口晴哉著『整体入門』ちくま文庫 pp.65-66 太字は医引用者)
ここにある「固まりのまま出す」というのがどういうことを言っているのか具体的にはわからない。もし手術による摘出ならそう楽観視もできないんだが。
それから心臓ペースメーカーなどが入っている人も用心がいるだろう。こうした人工的な異物まで「排泄」の対象になるかもしれないので、そんな事情から現代はうかつには活元運動を勧められない面もある。
また女の人は生理の感じが変わるそうである。これも詳しいことは分からないけれども、おわったあとの爽快感を報告してくれる方が一定いらっしゃるので、これはこれでいいのかもしれない。
何にせよ反応、症状はそのものが即、治癒現象なのだ。こうした根本原理をよく理解してからでないと、「整体やって身体をこわした」なんて誤解を招きかねない。
もちろんプロならこうした説明責任は「もれなく」果たすべきだろう。このブログに書いた程度ではさしたる啓発効果も期待できまいが、自分への戒めとして書いてみた。