30歳からのハローワーク

ユングは自らの心理学を「人生後半の心理学」と説いたそうである

最近はせい氣院で行なっている仕事も「人生後半の整体指導」ではないかと思うことは多い

客層が自分の年齢を基準に形成されるからかもしれないが、最近は40歳前からの自己変革を求める人が割りに増えている

だいたいその辺りから自分の人生を逆算して考えるようになるし、時期を同じくして職業の選択もシビアになってくる

見ていると20歳前後で就職をされた方が、軒並み30歳くらいで最初の職業的人生を見直す時期に差しかかるようである

実際に転職を機に来院される方もいるし、転職すべきか迷われていた方が整体指導を受けながら、がんばって続投の道を歩んでいく場合もある

現代日本ならではの特徴かも知れないが、人格発達の目安としては20歳代で自分を客観視する目が徐々に養われ、30代はその目を使ったいわゆる「自分探し」が活発になる

そして40代は「補償の時節」というか、前半生で生きられなかった部分の「生き直し」を図ろうという心の動きが目立つ

そういった事情から「30歳の就活」が人生最初の職業選択だと思っても良いかもしれない

やや論点がずれるけれども、大事な選択のときには雑音をカットすることが鉄則である

つまり「右か左か」という大切な岐路に立ったらそれまで外に向いていた心の目を内に向け、ひたすら「意識の鎮静化」に努める、ということだ

意識を静めて自己との対話に徹することで、はじめて「自分の道」は深層意識の下層部から浮かび上がってくるのである

大抵の学校は卒業間近になると適性検査などを行ってそれが職業選択のよすがにでもなると思っているようだが、ああいったものは迷う材料が増えるばかりで無益な行為である

いつだって答えは中心にあるのだ

本来ならば思春期・青年期の教育課程の中で「中心にアクセスする方法」、「周辺を消す方法」を指導しておく方が人生の難局においてはよほど助けになる

このブログでも折に触れ瞑想の必要を説くのはこのためなのだ

ハローワークの手段が瞑想、というややエキセントリックな流れになってしまったが、いつだって最終的に頼りになるのは自身の判断力を曇らせない澄んだ精神とそれを支える身体であることを知っておきたい

いま就活をしている人もそうでない人も、「整体である」に越したことは無いのである