〔質問〕 長い間活元運動をしている人は反応の三段階が終ってから、運動が変化していますか。
答 その日その日の体の使い方で、それを調整する運動が起こりますから、始終変化しています。
ただ必要な運動が端的に出るようになりますから運動時間が短くなります。
多摩川の向こうに幼稚園がありまして、そこで子供達が毎朝活元運動をしているのです。
すると、他の幼稚園では怪我する子が日に何十人か出るのに、そこでは一人も出ないそうです。(野口晴哉著『健康生活の原理ー活元運動のすすめー』全生社 p.144 一部改行は引用者)
活元運動は「一度出るようになった」らおわりという訳ではありません。
つづけていくことで運動の質的変化があります。
ひとにもよるけれど、はじめのうちは何か騒々しい感じの運動が出ることが多い。
また手さき足さきの運動が目立つ段階から、つづけていくことで体幹、背骨といった中心側が精妙に動くようになってくる。
年齢からくるものもあるかもしれないが、だんだん運動の質が綿密・精巧になっていくと思っていれば間違いない。
引用には子どもにやらせると怪我をしない云々というところがあるけれど、これは子どもに教えたことがないからわからない。
ただし大人の場合、転んだり手を滑らて物を落っことしたりするのはあきらかに錐体外路系という、無意識のバランス機能が鈍っている。
活元運動の必要性の高い状態だ。
反応期がおわったからといって、それが全てではない。
一度自転車に乗れるようになったって、乗るときはいつも倒れないようにバランスを取り続けているのと同じような感じです。
体を守る見えないバリヤーというか、今まで自分で自分を保護してきた力を高めていくようなつもりでつづけていくといいだろう。