活元運動の反応がはげしい人

質問〕 体の具合の悪い人は、活元運動をやり出して、反応があまりひどいと、本人がびっくりして、活元運動をやめたり、医者に行ったりするから、やる前にどの程度の反応が出るか知りたいのですが。

 それは前もって予想できます。でも、調べるのはむずかしい。しかし、どの程度、その人が耐えるか否かは判ります。

困るのは精神病や、そういう素質のある人で、三月も半年も休まないで続くことがあります。そういう場合は、やめるようすすめているのです。そういう人の反応は、活元運動の誘導と一緒に、声を出して呼吸と首の回転が起こる。そうしたら、トンと左肩を叩いて止める。

それ以外の場合は心配ありません。

そうなったのでも、精神病の素質があるからではなくて、単なるヒステリーである場合もある。ただ、潜在意識の中に家族間のゴタゴタなどを抱えていると、運動中にしゃべり出したりします。(野口晴哉著『健康生活の原理ー活元運動のすすめー』全生社 p.142 一部改行は引用者)

活元運動というと「反応、反応」と常に注意がついてまわるが、実際はそこまではげしい反応が出る人は稀だと思っていい。

だいたいは始めてすぐなら筋肉痛のような痛みがでる人、それから半年、一年くらい続けていって風邪を引けるようになる人がちらほら出るくらいだ。

ただ、ときどきつよい反応が出る人がいるから、あらかじめ断っておかないと具合がわるいのである。

そうなる人の傾向はまず体が硬い人(で、愉気を受けて眠ったようになる人も)、それからいきなり活発な運動が出すぎる人、がそうなりやすい。

活元「運動」というからには動くことはもちろん大切だが、初回からはげしい運動の出る人の中には非常に気ぜわしい人、頭の中が一向に休まらないタイプの人がいる。

整体であることの条件の一つは気持ちがユッタリしていることなので、活元運動も本来ならばそのような意識が確認できたうえで行なうのが正しいやり方だ。

そいう意味では頭の忙しすぎる人に加え、あきらかな精神疾患のある方にはおすすめできない。また現代では多いけれども投薬による治療を受けている場合も同じ。

そういう場合は活元会のような集団の場ではなく、個別で丁寧に愉気を受けながら徐々に弛めていく方が適している。

心配な方はしばらく邪気の吐出だけを充分に行ってみよう。意識の落ち着きを取り戻してから徐々に活元運動をやれば急激な変動は抑えられる。

体がゆるんでくれば、心は休まり、頭の中でゴタゴタしたものも自然に流れていくのだ。中庸の速度、感覚を意識して行えば反応もゆるやかになる。体の感覚に訊ねながら、無理をしなければあまり心配はいらないだろう。