健康に向かえば整体に背く

人格は全身の緊張弛緩のバランスでいくらでも変わる。

腹筋が硬直していれば、何かと気忙しくなりこころの余裕はなくなるし、

首の前側がちぢめば思考は同じところをどうどうめぐりする。

からだを上手にゆるめることさえできれば、こころの内外にあるあらゆる問題が解決する。

だからそのゆるめる手立てを正確に覚えることが大切なのだ。

ただ単にリラックスするだけではゆるまない。

エネルギーが余っていれば、まず充分に動いて消費させねばならないし、

眠りの質も高いに越したことはない。

それぞれのからだに合った運動が行われれば、からだの内も外もみんな穏便に収まる。

道はひとつ、

からだの要求にそって動き、休めること。

「赤ん坊は見事にそれをやっているが、大人はむずかしい」

そう思う大人もいるが、そう言っている人のからだにもやっぱり自然は息づいている。

これから努力してそうなるのでなく、

最初からそうなってるものに気がつくかどうか。

真に向かえば生に背く。

目のつけどころが変わればそれでいい。もとより簡単な話なのだ。