逆子の原因

逆子はいつから?

「逆子」とは一体どのタイミングで決まるのでしょうか。逆子の原因について考える前に「逆子の定義」についてまず見直すことにしましょう。
多くの医療現場では妊娠してから28週以降で胎児の頭が上になっていると、「もしかしたら逆子かな?」という見方が出てくるようです。またこの位の時期ですと病院・助産院でもあまり気にしないようです。

そこからさらに進んで30週、32週となりますと、一般の医療機関でもそろそろ「何かしましょうか」と動きはじめます。ですからおよそ30週以降でも頭がまだ下にある状態を「逆子」として扱うとみてよさそうです。

 

逆子の本当の原因は?

逆子に対して「何かしましょう」となった場合に、よく行われる対処法としては「お灸」、「逆子体操」、「外回転」が一般的なようです。ですがその前に、「なぜ逆子になったのか?」という「原因」について考えてみる必要があります。
本来は「原因」が解らないと、「正確な対処」のしようがないはずなのです。逆子の原因は、一人一人まったく違いますから、一人一人丁寧にその状況を伺って、「どうして逆子になったのか?」、「ではどうしたら直るのか?」を深く考える必要があるのです。これを行わずにぐいぐいと外から力を加えても、戻らないばかりでなく赤ちゃんが恐がって緊張してしまいます。
ですから整体では先ずはじめに個別に身体をよく観察して、その方だけの本当の原因を見つけ出すことに重点を置きます。
一般には逆子の原因として、「骨盤の大きさ(お母さんの体格)」、「胎盤の位置」、「子宮筋腫のような余病」、「羊水の多少」、「母体の冷え」、「ストレス」などなど・・がよく言われる例です。
整体でもこれに似た見方もありますが、もう少し別な角度で原因を観ていくことがあります。その辺りを下のように3つの項目に大別してご紹介します。

 

1.骨盤がしっかり広がっていない

まず一つ目は骨盤の幅、開き方によるものです。通常妊娠から30週を迎えると、胎児も1500gを越えますので頭部もそれなりのボリュームが出てきます。ですが妊婦さんの生活環境によっては、その週数に比例して骨盤がしっかり開いていないケースがあります。

妊娠期はリラキシンという妊娠期特有のホルモンのおかげで骨格が柔らかくなり、骨盤周辺の組織もゆるんでくるはずなのです。ですが職場や家庭環境などでいろいろなストレスがかかっていますと、骨盤の開閉のポイントである仙腸関節が固くなり、赤ちゃんの頭が入るような充分なスペースがないことがあります。

この場合は出来るだけ早めに生活環境を切り替えて、リラックスできるようにすることを考えましょう。

 

2.骨盤の角度が後傾している

2つ目、もし今あなたが逆子で悩んでいるとしたら、合わせ鏡を使ってご自分の姿勢を横から観てみてください。もしかして「猫背」になっていませんか?

猫背というのは背中だけではなく、骨盤や股関節が大きく関係しています。尾骨が下がって骨盤の上の方が後方に来ているようでしたら要注意です。散歩などの運動が足りていないために骨盤深部の筋肉(インナーマッスル)が弛緩している可能性があります。これがもし腰痛などを伴っているとすれば、逆にどこかで緊張していて(不安やイライラなど)、先ほどとは逆に固くなっているのかもしれません。

これらはご自分で解決するのはやや難しいかもしれませんが、まずは軽めに散歩をしたり、腰に朝と晩、蒸しタオルを当てるなどして、骨盤周辺をやさしく刺激してみましょう。もしこれらで解決しないようでしたら、信頼できる専門家(整体師や鍼灸師、姿勢のトレーナーなど)に相談された方が良いかもしれません。

 

3.心的ストレス

先ほども触れましたが不安やイライラ、他にもドッキリなど、どこかで心理的なストレスを体験されたことで、急に逆子になってしまうことがあります。当院でもこれまでいろいろなケースを観てきました。

例えば「上の子がころんで大ケガをした」、「家族とケンカをした」、「仕事でミスをして叱られた」、「階段で転んだ」などなど、たとえ妊娠中であっても実生活の場ではいろいろな感情体験があるものです。

上のようなショックな出来事があった時には、まず自分の感情を自身で受け止めて、びっくりしたんだね、つらかったんだねとやさしく「感じなおし」をしてあげましょう。

この「感じなおし」を行うことで中には涙が流れてくる方もいます。涙にはストレスホルモンが含まれていますから、嫌なことがあった時にはシッカリ泣くことでスッキリする効果があることが知られています。

泣くことで自律神経の働きも副交感神経優位になりますので、それまでの緊張が一度に抜けやすいのです。

 

 

またこのように自分一人でつらい感情の処理がむずかしいときには家族や助産師さん、あるいは専門のカウンセラーなど、誰かに心の内面の話を聞いてもらうことも良いでしょう。妊娠中は特に、「嫌なこと」を胸の内にため込まず、上手に流れていくように自分自身をよくいたわってあげることが大切です。

出産までの大切な時間を気持ちよく生活できるように、周りの方ともよく話してできるだけ協力してもらいましょう。
以上、最初に書きました通り、逆子の原因は本当に一人ひとり異なります。自分だけで原因が見つからず解決できないなと思われましたら、まだ週数が早いうちに専門の機関に相談されることをお勧めいたします。
<おまけ>
最後にもう一つ、今の妊婦さん全般に言えることですが「目の使い過ぎ」が目立ちます。スマートフォンなどの液晶画面をみる時間は極力控えめにしましょう。現代では「目をしっかり休める」ことも、妊婦さんの大切な仕事です。もちろん胎児にも良い影響となりますので、是非実践してみてください。