最近は「どうすれば もっとやわらかい 呼吸ができるのか」を念頭において身体をみていた。息をしていない人はいないけれども、その質においては個人個人で相当な差がある。
世の中に呼吸法の数は相当あるが、実生活でいったい何に役立つかと言えばそれはコミュニケーション能力だろう。
緊張で息が詰まっているとなぜか対人関係も打ち解けにくい。また間違った荒い呼吸法などをやり続ければ身心を頑迷にする。この「自分の認識にのぼらない筋緊張」が人生上ではあらゆる影を落とす。整体の対象となるのは、この無自覚な筋緊張なのだ。
上記の原因には脳内のミラーニューロンというシステムも深く関与しているのではないかと思う。簡単に言うとミラー(鏡)的作用でこちらの身体状況が相手に映るということだ。
整体はいろいろな方のさまざまな難題に応える仕事という反面、実際相手にしているのは自分の身体だけとも言える。自分のことを知って、自分の身体だけを専一に開拓して磨いていけばそれでいいのではないだろうか。
今のところ自分の身体も呼吸もまだまだそんなに良いとは思えない。身体のゆるみがさらに深まっていけば、呼吸はもっとやわらかく良質なものになると思っている。
対人関係においてもその他の問題事に直面した時でも、行き(息)詰ったと思ったらまずは自分が息を吐いてしまうといい。吐くと大なり小なり緊張がゆるむので、それがこう着状態を脱する鍵になる。深くやわらかい息は人生のあらゆる難題を解くマスターキーなのだ。