その後の身体

震災直後は息を詰めている人が多かった。理由もなく動悸がしたり、やけに手足が冷えるというお話を来ている人からうかがったのが地震の一週間くらい後のことだった。

あれから一ヶ月が経とうとする現在、消化器の変動やらトラブルが多い。肩こりとして自覚されるが、端的に言うと肝臓が腫れている。不安は食欲をくるわせるのだ。

胸椎3・4に変動があるのは放射能の影響との見解は目黒のスピリッチュアル・ヒーラー氏のご意見。下痢をしているという方も多いがこれはどうだろうかな・・。食べすぎによる栄養過剰の調節かもしれない。氏より「水にお気をつけあれ」との忠告を賜ったが、あっひーは水道水をごっくんごっくん飲んで鉄分とトリハロメタンで鬼のような健康体だ。これこそが純然たるノグチイズムと信奉せん。

復興のメドが立てば体も変わってこようが、文字通り暗夜行路をひた走るフクシマの不安が都心の緊張を助長しているのは明白だ。だが夜明け前が一番暗いとも言うから今はただ辛抱の時かもわかんない。なにより身を削って現場で作業をしていただいている皆様には畏敬と感謝の念で言葉もない。一寸先は「光」であると信じたい。

そういえばこないだ山下公園に行ったら久しぶりの日常に浸ることができた。山下公園は関東大震災で倒壊した瓦礫を埋め立てて造られてということを僕は最近まで知らなかった。地震は1923年に起きた。そして戦争もあったのだ。

もうじき100年は経とうかという所だが、その公園で恋人やら家族が仲むつまじく歩く姿からは「あれから復興できてよかったね」という感傷は読み取れない。自由も安全もその渦中にあるうちは価値も有難味もわからないのが人間なのだ。時間とは光陰矢のごとしだが一日千秋にもなる。復興を待っているうちは遅々としているが、目の前の仕事、ルーティンワークを取り戻せば案外落ち着くのではないか。

汚染の問題というと思い浮かぶのだが、小学校の社会科で習った四大公害病という言葉も忘れられつつある。かつて工場排水の害で魚が住めなくなった海に、わずか数十年の歳月でまた生き物が戻ってきているというではないか。プランクトンや海藻が毒素を分解して水をきれいにしてくれたのだという話をきいたが、いつもながら他の生き物さんには申し訳ない。

まさに風の谷のあの人の世界が目の前で展開されているわけだが、人間の魂も進歩をしているのだ。野口先生は「日本は確かに資源がない。が、なれば私たち人間が資源になればいい。」と言われたそうだが、僕の場合はご縁のあった方のお身体をみていくことでめぐりめぐって復興支援の助力となればうれしい。微力には違いないが「くに」の将来を思えば堅実な道とも思う。

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著者:須藤 元気,森沢 明夫販売元:幻冬舎Amazon.co.jpで詳細を確認する