メガもり

近頃飲食店のコマーシャルなどでドカ盛り、メガ盛りというのが良く目に付く気がする。

若くて肉体労働をされる方は食べなければ身体がもたないのでしょうが、一見あまり体力を使わなそうなデスクワークの方もターゲットとなっているらしいのです。

需要は当然ある。パソコン作業などで頭を使いすぎれば脳を休めたくなるが、いわゆるSOHOスタイルでなくても今は電車の中でも自宅でも四六時中仕事ができる環境なので初中終頭を使ってしまう方も多いはずだ。

ところが胃袋を動かすといったん頭に上がった血が下にさがるので、本来の食欲と関係のない所で余分に食べたくなってしまう。というのは整体の定番の理論。

それだけではなくて不安や緊張、さみしさからも食べる。頭をパンクさせないためのいわゆる身体の防衛手段だが。風が吹けばの話ではないが「コンビニスイーツ」もこの一連のレール上にあると思う。

過剰な栄養摂取は余計な病気を作るが、自分の食欲の原因が分かっていて摂取するのと、わけがわからないでモクモクモクモク食べているのではいくらかはちがうだろう。自制心を頼りに身体の許容範囲の中での処理を心がけたい。

今日も感謝。

正座

「もし日本人が和室の生活を取り戻して正座を励行したら、病人患者の数は半分になる(のではなかろうか)。」というのは僕の整体の先生の言だ。

その時はそういうものかと聞いていたのですが、実際に和室に住んで一日の半分を正座で仕事をしていると自分の身体を通して確信めいたものが湧いてきた。

仙骨や骨盤が脚光を浴びているが正座で坐骨がキマるとおのずと背骨や肋骨が所定の位置にかえってゆるむようになる。いわゆる日本民族が生み出した生活上の文化、もしくは「型」というものでしょうが、こういういつでも簡単にできるような事には有難味が感じられないので価値を見落としてしまうのだ。

いきなり10分20分と正座をするのはつらいと思うのですが、就寝前の何分かでも正座呼吸法をためしていただけたらうれしい。

腰痛

先週くらいまで多かった腰痛のご相談が落ち着いてきました。施術効果の著しい方もいればそうでない方もいらっしゃって腰の複雑さに久しぶりに難儀した。おにょれ・・

気がつくと昨日今日は頭部に氣を通すようなことが多いです。秋はなんとなく気分がぼやんとしてしまうのも後頭部の骨、特に左側がつつーっ下がってきたりすることと関係が深いらしいのです。それをもうちょっと下方へ引っぱってその後で引き上げていくようにすると少し気分がさっぱりしてきます。

そうすると顔立ちもパリッとしてきます。整体を本なんかで勉強しているときは季節ごとの身体というのにはあまり興味はなかったのですが、臨床でこうも傾向が偏るとやっぱり定番の対応というのがあるのも納得せざるをえません・・。その中でも個性というのはありますからそこを細かくみるのがさらに大事。

リンクル

エステティシャンの方が見えられているのですが、今日は話題がシワというのは消えるかどうかという方向になりました。

僕の整体の基準には美しさというのがかなりの割合を占めてます。個人的にはしわがあろうとシミがあろうと『見返り美人』のように背中と足首で魅せられる女性は健康的で、キレイだとかんじます。年相応の美しさというのを醸し出せるかどうかは背骨と骨盤の弾力にかかっていると思います。

実は整体にも「シミ取り操法」や、目じりのしわに対応した「雀班の急所」というのがあるにはあるんですね。

それはやはり骨盤の開閉動作に因んだ技術です。心理的なショックや肉体的なストレスで急に一時的に老けこんだというのならある程度の効果は期待できるのかもしれません。しかしながら「しわを取ってください」というようなご相談にはやっぱり意欲的には取り組めないと思う。効果を約束できるものでもないし、当の僕自身が興味がないんではしょうがない。

食べ物のつかえ

今日一緒に食事をしていた人がたまたま食べ物を喉につかえてしまった。3分、4分とたっても、コン・・コン・・と小さく咳をしているので、背骨を調べて、ある箇所をトン、トン、トン、と叩くとほどなくとれました。

整体のこういう物理的なショック療法を叩打法(こうだほう)といいます。(いつも書いてますが痛いのとか叩くのは個人的にはあまり好きではありません。)

ただこういう救急操法で肝要なことは観ている方が慌てないこと、そして必要がない限りウカツに手を出さないということ。そして技術がたまたま功を奏しても自信を持たぬことが大事なのだそうです。・・なので自分への戒めとして書いてます。今日一日の無事はみな神仏の愛と配慮です。

ぎっくり腰

開業当初からぎっくり腰や肩こりというのにはあまり関心がわかない。腰だけを切り離して相手にする気はないのです。全身を診る、生活するその人を丸ごと観る、というのが整体なわけですから・・。しかし整体の看板を掲げていると腰痛と肩こりのご相談はやっぱり切り離せないですね。

最近とくに腰痛のご相談が多い。観ていくとお腹側の力が抜けてしまっているのと消化器系統の内臓がくたくたになっているケースが多いのです。記録的な猛暑の疲れが関連しているのかもしれない。背中の下半分が鉄板のようになってしまって、かなり息も浅くなり、苦しさが触れているこちらまで伝わってくる。

この鉄板がなかなかゆるまない時に以前学んだ古伝の療術の技術が有効であることに気がついた。お腹の底部のラインを強めに整圧する技法なのですが、これは九州出身の野中さん(故人)という治療家が発案したものを整体の技術に取り込んだものらしい。

僕は生来ぐいぐいという力技は苦手な質(たち)なので、手で少し押さえて後は集中して指先から氣を飛ばすというように圧するわけです。すると背中から腰のコリがだんだんに取れてくる。こういう時、先人の知恵というのはありがたいなと思います。

滝行

都会で働く女性で山に滝を浴びに行くという方が増えているらしい。精神論やスピリッチュアルも結構なのですが、こうして自分の身体をヨリシロにして生きようとする感性には共感を覚えます。

あっひーが高校生の頃(90年代)は「21世紀はこころの時代」というフレーズをときおり耳にしていたのですが、実際にフタを開けてみたら今世紀はようやく「身体の時代」になったなと思うのです。

僕はもちろん整体をススメますが、大局的にはヨガでも空手でもなんでもいいので一人一人が自分の身体に責任を持ち、正しく教育して、豊かな人生を造っていくことが日本の将来にもつながると思っています。


オウムと身体

夜が明ける いつものように朝が来る

これは比叡山のお坊さんが書かれた本にでてくる言葉。

ソロモン王が生きていた時も、クフ王のピラミッドをつくっていた時も、世界中のアチコチで悲しい戦争をしていた時も、太陽は黙って何億年も前からずっと地球を照らしてます。無償の愛でね。

自然は偉大だ・・。

そして今日も変わらないお日さまに感謝。ありがとうございます。

ただ自然に―比叡山千日回峯行 酒井雄哉画賛集Bookただ自然に―比叡山千日回峯行 酒井雄哉画賛集

著者:寺田 みのる,酒井 雄哉販売元:小学館

ソワカ

突然ですが人間の行いで神様が一番喜ぶのは「掃除・笑い・感謝」なのだそうです。この3つの行いの頭文字と、仏典般若心経の最後の部分「ハラソーギャーテーボジソワカ」のソワカを関連づけて「そ・わ・か」の法則というのがあるそうです。面白いですね。

さっきまでお風呂場で自宅のごみ箱をせっせと洗っていました。たしかに「拭く、磨く、キレイにする」という作業はやってると何となく目の前が明るくなって元気になってくるから不思議です。はたして神仏が喜んでくださってるのでしょうか。

「そ・わ・か」の法則Book「そ・わ・か」の法則

著者:小林 正観販売元:サンマーク出版

ほどほど

テレビを観ていたらお米をおいしく炊くには10号炊きのお釜で何号が一番良いかというクイズが出題された。見た瞬間「それは7.8号だ」と心の中で思ったのですが三択で出題された答えは10号・7号・3号のどれかで、正解は7号とのことでした。

7.8という数字は78対22という、いわゆるユダヤの法則から転用してきたわけですが、ユダヤ人の方々は数字に強いらしくこの世の理(ことわり)をいろいろと数値に算出して生活に役立てている。(らしいのです・・)

78対22の法則というのは空気中で窒素の占める割合が78%、人体中の水分の割合が78%(どうやって測ったんだろうか・・?)など、黄金分割などと一緒で自然界に潜む均整比率を10進法の世界であらわしたものらしい。

貝原益軒の『養生訓』には腹8分目という名文句があります。やさしく言うと、「なんでもほどほどがいいよね」という意味だと思ってます。

整体師の僕の場合は人の身体を見る時にも78対22の信仰が生きている。(注:ここから信じなくていい話です。)一人の肉体の78%は調和がとれて凡庸としている。残りの22%は常に変遷する現実に対応しようとして汗をかいたり、下痢をしたり、鼻水を出したりしている部分です。

これは、現代の一般通念で「病」と言われる現象ですが、この22%の部分でいわゆる魂の修行をしています。(注:信じないでください。)整体師はこの22%のなかに生きる力を見出して100%の調和を願う。それでもその成果は最高の状態でも78%であって完璧という現象は観念の中にしか存在しない。

野球のピっチャーは100%打たれないピッチングが完成したときにピッチャーとしての仕事は終わる。未来永劫絶対潰れない会社のシステムをつくった時点で社長としての仕事は終わる。この世から病気が消えたらお医者さんの仕事は終わる。人間が毀れない肉体を備えてしまったときに魂の修行も終わるし整体師の仕事も終わる。

22%の不完全さが人間にさらに進化する可能性と生きる希望をもたらしている、と思うのです。完璧主義より不完璧主義がイイ。完璧主義の人ほど肩も腰もコリやすい。健康の秘訣は78%で満足できる不完璧主義です。僕は今日も78対22の身体に感謝して「ありがとう」と言っている。