仕事を始めた当初、「野口整体」を生業としていくことに戸惑うことが多かった。開業2ヶ月目でげしょげしょに泣きが入ったというのもほろ苦い思い出だが、なんだかんだと続けていくと案外こういうものが必要な方がいらっしゃるのだと体感した。というか需要と供給がじりじりと歩み寄って新しいマーケティングが生まれたという感覚だ。ナリユキというものには人知を越えた力がある。
治療術ではないということで宣伝も実技も制約が多いが、サッカーだってバレーボールだってルールであれやっちゃいかん!これやっちゃいかん!というからこそあれほど盛り上がるんだ。
無いところに需要を生み出すのが企業家の務めだと言ったのは本田宗一郎さんだが、「こんなものがあったら便利でハッピーだよね」という先見性から大きなヒットが生まれることは消費者にとっては喜ばしいことだ。
だが、その頃やってる当人たちは経済社会の崖っぷちにしがみついて大抵血ダルマになってたりするのが常なんだが。野口先生の頃は今よりさらに生活に余裕がない時代だから、なおのことリスキーだったと思う・・。「人生は気合だ」ということを生涯ぶれずに貫徹されたのだ。
見たことも聞いたこともない商品というものは生まれたばかりの赤ちゃんのように無力で可能性に満ちた存在だ。初めはやさしく根気よく育てていく必要がある。惚れ込んでいればそれが喜びだが、人の人生にかかわる以上二番煎じでぬくぬくやって行ける世界ではないと思い知らされている今日この頃。出合いのすべてが学びなんだ。