活元運動の好転反応とは

前回の活元会で、活元運動の反応についてご質問があったのでこちらでもお応えいたします。

活元運動は身体のバランスをとる機能を活性化して、自分の力で健康を保てる人を育てるために行います。その結果として、もともとの体力が活発になるので早く病気になり、早く病気を経過する身体になっていきます。

そのために、活元運動をはじめた人は身体が敏感になり、元気になってきたという証明として「反応」があらわれます。

反応はさまざまですが、おおよそ次の三つの段階を踏んで経過していきます。

1.弛緩反応 最初におこる反応は眠くなったり、だるかったりという弛緩反応(第一反応期)です。どーっと疲れた感じがしながらも快い、といった気分になります。この期間は食事をしてもおいしく、またいくらでも眠れます。非常に気持ちいい感覚で過ごせるのがこの弛緩期です。

この弛緩反応の経過のコツは眠ければ眠る、だるければ横になるなどしてとにかく心身をゆるめることです。また身体が無防備になっていますから冷たい風に当てたりして、ふいに身体を冷やすことのないないように気をつけましょう。

2.過敏反応 皮膚の下層に水が通るような、涼しい感じがします。人によっては強い寒気も感じることもあります。これが次の過敏反応(第二反応期)のはじまりです。最初の弛緩反応期が非常に気持ちよかったのに対して、過敏とあるように熱が出たり、古い打撲のあとが痛んだりすることもあります。あるいは、目が腫れた、歯が腫れて痛んだ、など急性病にも似た反応が出る人もいます。次の反応である「排泄」に備えて身体がたかぶっている時期と思ったらいいでしょう。

3.排泄反応 上の二つの反応期を経過すると排泄反応という第三反応期に入ります。体内の老廃物や毒素などが排泄される時期です。ここまでくると反応の経過はもう一息です。湿疹がでたり、うす皮がむけたりなど、皮膚にいろいろな変動が出る人もいます。また下痢などの大小便が大量に出たり、目ヤニや鼻水がたくさん出るなど、いろいろなものが身体の外へ排泄されます。あとは女性の場合、生理の時に血の塊が出たという話を何度か聞いたことがあります。

この活元運動の反応については『整体入門』に面白い記述がありますので、引用しておきます。

反応の経過で注意すべきこと

反応中は肌着は汚れるし、爪は伸びやすくなるし、ふけは多くなるし、傍へ行くと臭い。中には体内で石をつくっている人などはその溜めている石を、胆石でも、腎臓結石でも、膀胱結石でも、どんどん出してしまう。ただこのような反応期に石が出る場合には、固まりにならないで、臭い尿になることが多いが、ときどき気忙しい人がいて、胆石でも、あるいは膀胱の石まで、固まりのまま出すことがある。膀胱から大豆大の石が出たという人も、胆石で三十六個も出たという人もいました。またバケツに三杯ぐらい下痢をしたとか、鼻水が洗面器に一杯出たとかいろいろありますが、ともかく排泄反応まで来れば、もうよくなると安心できるのです。(野口晴哉著『整体入門』ちくま文庫 pp.65-66)

というように、にわかに信じがたい症例もありますが当院に通われている人の中でも一時的にだるくなる、それから風邪を引きやすくなる(38度以上の熱が出る)、という反応はよく見られます。わたしの経験では、活元運動(野口整体)をはじめて3年くらい経ったときに黄色い水の便がいきおいよく出たことがあります。そのときは本当に黄色のインクみたいな液体だったのですが、それと同時に顔がしゅーっと縮んで顔面の巾が半分くらいになったような感覚におそわれました。もちろん本当にそんなふうにはなっていませんが‥。

ですから活元運動を病気を治す、というような目的でやられるとびっくりされるかもしれません。身体を丈夫にするというのは病気をさせないことではないのです。病気を利用して積極的に身体を整えていくことができるように、潜在体力をゆすぶり起こすことが本来の目的です。

さて、反応についてだいぶ注意点をあげましたが、ここまで説明すると「反応が出ない人」からも疑問を呈されることがあります。「わたしは反応がでないのですが、活元運動がちゃんと出ていないのでしょうか?」ということです。実際は先の3つの反応がすべて出るかというと身体がそこまで極端に鈍っていなければ、知らない間に経過していくという例もよくあります。なんとなく眠かったり、少し熱っぽいという様な程度で気づかないうちに済んでしまうこともめずらしくありません。

活元運動は人それぞれ千差万別ですから、ともかく反応が出ている人は心身の変化のときですからは無理はよくありません。落ち着いて休養を取るように心がけしましょう。

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