今日は整体の定番、骨盤の話。
初回のときに後ろ向きで姿勢をチェックするのですがそのときに、
「私の骨盤ゆがんでませんか?」
と訊かれることがあります。
または最初に書いていただく受付票に、
「骨盤矯正をしてほしい」
とか、書かれるのです。
ただ「矯正」っていうのは本来の整体の言葉ではありません。
それと、
左右対称でないことを「ゆがんでる」というならほぼ全ての身体がゆがんでます。
ですが、
骨盤が左右同じということはまずないので、左右が違うならばそれはそれでいいのです。
そして・・・
・・・あ、今日は骨盤が「あがる」の話にします。
そして、整体の初めに後ろに立って骨盤を観るために両手で押さえるのですが、
このときに、片方だけ、あるいは両方高い位置にあることがあります。
こういうときは何かしらマイナスの緊張があったことが予想されます。
その時の情動が身体の形として居ついてしまって、外の世界や物事がニュートラルに見られない。
そういう状態になっています。
「整体」というのは身体の自然がむりなく現れている状態です。
そして自然というのは全ての現象が刻々と流れて止まらないこと。
これを身体に言い替えると、感情がきちっと体表上に発現されて流れて消えていくこと。これが大事。
だからゆがんでいること、それ自体はなんでもないんです。
ただ骨盤が上がったまんまでロックして止まっていると、「これはどうしたのだろう・・」ということになる。
これも本来なら、一晩眠れば直るのです。
ところが人間というのはよくない感情が心を支配しだすと、身体の動きが止まって治癒力が働かない。そういうことが往々にしてある。いわゆる鈍り現象です。
それを解きほぐすのも整体の仕事です。
そこで、
「矯正」という表現は他動的ですね。
ですが、自分の力で治るにはどうしたらいいだろうか?
本来の整体指導というのは、そういう刺激の仕方を考え探していきます。
そして、自分の感情を知り、コントロールするすべを知り、身体の小さな変化に気づいたときに、
はじめて、自然の力で「治る」身心になっていきます。
身体は外からは治せないのです。いつだって内からのはたらきで治る。
そういう見えない、生命を守る「はたらき」があります。
相手の中の、そういう、命の力を掴み出して、静かに手を当てる。
そうすると、なぜか治っていく。
生きてるものはみんな治っていくんですね。
なぜかと問われればそれは、「生きているから」・・・
・・・です。
だから、
骨盤矯正も、
しない。と、
そういうことになります。
治る力は外にはないです。いつもあなたの内にあります。