空手のプロの方の背中を観させて頂いた。勝負師的な、腰に捻じれ傾向のある方で以前は尿詰まりの体をしていらした。
腰椎の3番が捻じれると泌尿器に影響が出るが、今日は捻じれがなく以前あった残尿感が最近はないとのことだった。
お話を伺うと胴体力というメソッドを本で読みながら研究、実践されたとのことだった。門外漢の僕は胴体力については伊藤昇さんという武術の人が創られたということしか知らない。
10代から空手一筋でやってこられた方なのでもとより背中に一本筋の通った方だが、今日は背骨の一つ一つに弾力があって全体で調和がとれている。長年ご自身の肉体と向き合って生きてこられた方なので、胴体力だけの産物とは言えないと思うが、こういう状態だと生理機能の支障も出にくいし、心理的にも柔和でいられるものだ。
良い身体に出会うことが何より勉強になるのだが、正しく鍛えられた身体に実際に触れて愉氣をしながら自分の身体までが整っていくようだった。
身体のプロとして志ある方はあれやこれや他動的にいじらなくても、自身で身体をみつめて精度が高まっていくのだと諭されたようだった。整体の存在意義についてしみじみ考えた。