つわりの原因

一時妊婦さんの相談が続いていたが、春になると同時に落ち着いてきた。真面目に通われた方はだいたい良好だ。妊娠中は整体の好機で、小さい刺激でも身体がよく変わるから負担も少なくて済む。

開業から6年やるとなんとなく統計も取れてくるもので、妊娠期も寒い時期になると腰痛、出血、悪阻(つわり)、逆子など、もろもろ問題事が増える。もちろん寒さだけが原因ではないけど、やっぱり「冷える」ということは身体の動きをいくらか滞らせるのは間違いない。

ただ今年はつわりの相談が多かった。妊娠初期に半数以上の女性が「つわり」を味わう。結構つらいもので、多いのは「吐きたい感じ」だろう。それのみならず、風邪の症状みたいに頭が痛くなったり、眠気が強かったりして寝込んでしまうケースもある。世間では「妊娠期だから、無理してでも栄養を取らないと」と思う方もいて、こうなると余計に大変だ。何ごとも自然でいいのだ。

「つわりってなんだ」という話をすると、「妊娠・出産に向けて骨盤の変化が追い付いていない人が味わう不快感」だ。だから吐いたり、寝込んだりすることで骨格の各部がゆるんで、骨盤の開閉がスムーズに行われるように動いている。だから身体の平衡を保つ動きであって、「良いモノ」なんだけれど、本当は身体が整っていれば「つわり」なんていらないのだ。

つわりの対応としては、とにかく食べられないという方は食べないことが一番良い。体内に食物がない時、身体の機能は消化・分解・吸収・以外の全ての働きにエネルギーが注がれる。動物がケガをしたり、具合が悪い時に食べないで独りになってじっとしているというのは、生命の知恵である。

人間の場合はもう一つ効率の良い刺激の使い方があって、ちょっと骨盤が広がるようにもっていってやればいい。整体の技術では腰椎5番(骨盤・仙骨の直ぐ上)を刺激する。誤解・誤用があるといけないので方法は示せないが、これだけでほとんどのつわりは消えてしまう。自宅でやれることとしては、腰の下部(腰椎5番)を蒸しタオルで5分くらい温めてあげればいい。やる時間は朝と晩、1日2回位でいいだろう。コツは8時間以上間をあける事。あとは好きなように動くということくらいかな。

難しい相談かも知れないが、妊娠初期に体調不良を訴える方はほとんど就業している。可能な限り早く産休を取ることをおすすめしたい。一番大事な話はこれだな。出産は女性一生の大事なのだから、つわりなどの不調の出ている方は勇気を持って休んでいただきたい。嫌われる程の勇気はいらないはずだ。