横浜駅西口にいたパントマイマー。きれいな肩と前腕にしばらく見とれた。五種というのは手(前腕)を動かすことに快感があるらしく、体操選手やダンサーには5種の濃い人が多い。
何よりパントマイマーという職業が冒険を好む5種的な動きそのものだ。これがもし二種や六種だったらこんな風に往来に立つこと自体がまず考えられない。
重心が前(つま先)にあるので、体勢をよく前のめりにしている。そのせいなのか、何かと前に前に出てきやすい。というより、たえずつんのめっているようなものなので「前に出るという衝動を抑えられない」といった印象を受ける。
それにしても、こういうふうに身体の素質とライフスタイルがマッチングしていると、見ているほうまで何となく落ち着くからふしぎだ。
身体と動作と風景が融け合って、一枚の絵のように観える。帽子がなかったらまた違って見えたろうけど、かぶり方まで巧い。自分を客観視できるということは高尚な能力だ。
しかし自分が「何故そうして生きているのか」までを理解して生活する人となると、その数はぐっと少なくなるだろう。そういう意味で整体的な観察眼というのは、身体と生き方の不一致を見つけ出し正すためにあると考えてもいいと思う。