先週までは指導室で時おりストーブを付けていたのにすっかり初夏の陽気になった。春先につづいて身体を動かしたくなる時だ。
整体ではよく「鬱散の要求」という言い方をするけど、人間は体力が余るとそれぞれの身体的特性に合った運動でエネルギーを消化したくなる。それというのも現代人は食事の栄養価に対して運動量が足りないからだ。
「栄養はできるだけ多くとるほうがいいだろう」という考えの方も依然として多いのだが、栄養を多くとりすぎても病気とかケンカの材料になるだけなので、身体に対して「中庸」という感覚を育てることは大切だ。
整体を一定期間つづけていくとほとんどの方に食欲の安定が見られる。それだけでなく余剰エネルギーの解消法も上手くなってくるから鬱散目的のケガや病気も減ってくる。具体的には趣味でスポーツをはじめたり、山歩きに行くようになったり、自分で自分を快活に使う欲求が開いてくるのだ。
内科のお医者さんが「健康のために何か運動をしましょう」ということがあるが、じゃあその「何かって何?」というとまったく曖昧なのが実情だ。自然と自分に合った運動をしたくなるように「身体感覚」を目覚めさせることも整体の仕事だったりする。