生誕百年

今年は岡本太郎氏が生まれてちょうど百年だそうです。太郎さんの本には青春時代にずいぶんと勇気づけられた。『自分の中に毒を持て』『美の呪力』『今日の芸術』なんかが思い出されますが、どのページを開いてもそこは「岡本太郎一色」で塗りつぶされていた。

人間存在の矛盾に一切のゴマカシ抜きでカラダでぶつかっていった生き方に捻じれ型8種のある僕はえらく共鳴したのだと思う。太郎さんは一見してアウトロー的でもあるけれど、太陽の塔に象徴されるように基本は白日のもとに輝くオモテ社会の人だったとも思う。

実は生誕百年というと今年は野口先生もその一人です。整体というのはずっと社会のウラ側を粛々と正してきた。自らが日の目を浴びればたちまち消えてしまう「根っこ」のような職業ではないかとすら僕は思っている。そんな野口整体も最近はオモテの世界にじわーっと受け入れられ始めた。

野口先生は亡くなる前に「僕のやっていること(整体)は50年~100年は早いかな・・」と言われたそうですが、今のような時代にこそ身体に軸を養って、己を修め、生涯を通じて豊かに生きる道を照らす光となってほしいと願ってます。

実際は整体が真の輝きを持って世に出るのはもう少し後かもしれない。それまではとにかくこの命の灯を消したくない。キャンドルサービスのように次、また、次、とつないで人の身体を通してこの社会が少しでも明るくなってくれればいいんだ。