開業当初からぎっくり腰や肩こりというのにはあまり関心がわかない。腰だけを切り離して相手にする気はないのです。全身を診る、生活するその人を丸ごと観る、というのが整体なわけですから・・。しかし整体の看板を掲げていると腰痛と肩こりのご相談はやっぱり切り離せないですね。
最近とくに腰痛のご相談が多い。観ていくとお腹側の力が抜けてしまっているのと消化器系統の内臓がくたくたになっているケースが多いのです。記録的な猛暑の疲れが関連しているのかもしれない。背中の下半分が鉄板のようになってしまって、かなり息も浅くなり、苦しさが触れているこちらまで伝わってくる。
この鉄板がなかなかゆるまない時に以前学んだ古伝の療術の技術が有効であることに気がついた。お腹の底部のラインを強めに整圧する技法なのですが、これは九州出身の野中さん(故人)という治療家が発案したものを整体の技術に取り込んだものらしい。
僕は生来ぐいぐいという力技は苦手な質(たち)なので、手で少し押さえて後は集中して指先から氣を飛ばすというように圧するわけです。すると背中から腰のコリがだんだんに取れてくる。こういう時、先人の知恵というのはありがたいなと思います。