捻挫

少し前に「捻挫をしたのでみてください」と言われた。

野口整体は捻挫を対象にする仕事ではないのだけど、先方が臨月の妊婦さんだったので一応心配になってご自宅に伺って操法することにした。

手首と足首は子宮と関係が深いので妊娠期は大事な場所になります。

操法した翌日はまだしっかり足を着けないとのことだったけど、その次の日には早くも腫れが引き痛みが和らいできたという。

実は捻挫の操法をしたのはこれが2回目で、前より愉氣の精度が上がったせいか経過が早く済んだ。

もう一つは捻挫、突き指の操法はどれだけ早く処置をするかが効果の分かれ目で今回は痛めてから3時間で処置できたことが功を奏したみたいです。

対応としては湿布もしないし、冷やすこともしない。捻挫を冷やすと気持ちいいのは痛む働きが鈍るからで大局的にみると身体の治る働きには喧嘩をふっかけていることになる。

いわゆる「非常識」な捻挫治療といえるかもしれないけど、「常識」の性質というのはそういうものでいたってもろく崩れやすい。

政治や宗教観が変われば一日で崩壊するのが常識で一定の地域や時代に住む人の頭の中にしかないのがそれだ。

野口整体は数10万人という命に実際に手で触れいくことで生まれた帰納的な技術体系だ。そういう点では甘い観念論や近視眼的な学説で構築された健康法・治療術とは一線を画する。

今回の問題の焦点は、臨月に転ぶような心のあり方を正すことなので、良くなったというところでもう一回心理的に塩を利かすことが本来の仕事になる。

俺は体の修繕屋じゃない。