活元会 2017.11.11:活元運動による自己実現(個性化のプロセス)

昨日は活元会の坐学ではユング心理学の「自己実現」、「個性化の過程」のメカニズムについてふれました。活元運動によって無意識を活性化し、〈自分自身〉になっていく、というものです。

「個性化の過程」とは、無意識の中に眠る「私はこのようになっていく」という要求を具現化していく自分、またはこうありたいという姿に向かって行く現在(の身体)のことです。野口整体においては「全生(ぜんせい)」という一語がこれに相当するものです。

「自分の要求を果すために‥」というと、誰もがはじめから要求のまま、思いのままに生きているではないか、と思われる方もいるかもしれません。ですが、そういった要求の多くは生まれてから今日までに作られた仮の自分(自我)による近視眼的な欲求であり、いのちの奥底から湧き上がってくる「要求」とは別のものである、と考えるのです。

無意識あるいは身体は、「いま自分がどのように動くべきか」そして「どんな風に生きたいか」を知っています。ですがそうした根源的な要求の多くは普段さまざまな観念や知識によって曇らさせています。

ときには先入している観念や間違った知識が現実をゆがめて認識させ、人を余分に迷わせていることもあります。そこで呼吸によって意識を静めて、無意識を活性化することで身体から出てくる自然の動きに任せて曇りや迷いを解消することができるのです。これが活元運動の真の効用です。

そのため活元運動をきちんとやっていくことで、人生は自然とよい方向へ拓けていく、といえるのです。今はさまざまな「考え方」を教えてくれるところはたくさんありますが、「〈考え方〉から離れてみると、どうなるか?」ということは自分自身で実践して体験するより他はありません。

頭がポカンとなることで意識と身体、両方の力みが抜けたときの自由性は自分自身の中心(深層)に眠る可能性を自覚させてくれます。自分の人生を拓いていく、全きものにしたい、という方にとって整体は大きなよすがとなると思います。

次回は11月16日(木)です。