活元運動で吐き気がしてしまう人は最初の呼吸法(邪気の吐出)をしっかりやること

質問〕 胃酸が出すぎて治りません。活元運動をやるとよくなると伺いましたが、胃酸の多少と活元運動の関係についてお訊ねします。

 生理的にみると、首からきている迷走神経が働くと胃酸の分泌は多くなります。胃酸自体は、腎臓から捨てる尿酸のうちの捨てきれなかった分であって、いってみれば廃物利用です。かなり筋肉が疲れないとその酸はできません。

つまり筋肉をつかって尿酸で捨てて、その余ったのが胃酸になるのです。

ですから筋肉を使わないとお腹は空かないが、しかし、迷走神経が働くと、それだけでも胃酸は分泌されるのです。

活元運動をやって首の運動が出すぎると、吐き気がすることがあります。それは胃袋の運動が亢まり過ぎたからです。そういう首の運動が出ると、迷走神経が働いて自然に胃酸の分泌は多くなります。

病気の名前はいろいろあります。胃酸の多いのもあれば、少ないのもある。

多すぎて潰瘍を起こすもの、胃袋が縮まっているもの、拡がっているもの、下がっているもの……いろいろですが、要するに胃袋が正常な働きをしていないというだけのことです。

(野口晴哉著『健康生活の原理ー活元運動のすすめー』全生社 p.145 一部改行・太字は引用者)

活元運動をはじめて行なうときに一定の割合で「吐き気」や「めまい」を起こすひとがいます。実は私自身も最初そうでした。

ですから「活元運動をしたら気持ちがわるくなりました‥」という方のお話を聞くとそのときのことを思いだします。

これは首周りの筋肉が充分ゆるんでいないとそうなりやすいのです。

その場合は準備動作である「邪気の吐出」、これを入念に行うことで予防できます。

息を吐く動作のときに全身の緊張が細胞レベルでゆるんできますから、これを何度も何度も、あくびが出てもやめないで繰り返していくことで上半身を中心に力が抜けていきます。

首・肩・肘までがくったり力が抜ければ、運動中にめまいや吐き気を起こすことはなくなります。

活元運動で気持ちがわるくなる、という方は邪気の吐出を丁寧にやってみましょう。