息吹き

この2週間ばかり昔習った空手の呼吸を毎日やっている。

「息吹き」という強圧の呼吸法なのでパッと見整体らしからぬ、という気もするけれど実は野口整体にも気合法という呼吸鍛錬法が伝承されいる。

これらの強式呼吸のたぐいは一様にして下腹、いわゆる丹田を中心に横隔膜による強力な圧がかかる。そのため肝臓や脾臓に滞留した血液が一呼吸ごとに全身を駆け巡ることになるのだ。

これにより血中酸素が増して、脳の活性化に伴い意識が刷新される。その結果それまでの混濁した現実認識も正される。これは仏教の八正道でいうところの正見だろう。

質の高い呼吸は瞬時に世界を変える力があるのだ。

もとより全身の余分な力が抜ければ体は整うのだが、こうした鍛錬はまた別次元として行なう価値がある。

整体指導を受けられる方にもお教えしたいけれども、なかなか指導の中だけで時間が取れないこともあるし、効果についても確証がないため今一つ踏み切れないでいる。

また、やり方を誤ればかえって体を毀すかもしれない。

前段階として先ずどなたにも安全に奨められるのは、活元運動の訓練で行なう「邪気の吐出法」を丁寧にやっていただくことだろう。

これなら初心の人も簡単に無理なく行えるし、血流の改善という点でも息吹きや気合法と同等かそれ以上の効果を望める。

兎にも角にも、行き詰りとは息詰まりなのである。深い呼吸を取り戻せば、世界はその場で変わるのだ。