助からないと思っても 助かって居る

助からないと思っても 助かって居る
河井寛次郎著 『いのちの窓』 東峰書房

人間にとっての本当の「救い」が判らなかったときは、愉気することが大変だったな。

人は救えない。

何故なら最初から救われているから。

最初に「助かっている」から、悩むことができる。

最初に「助かっている」から、苦しむこともできる。

「助かっている」は誰もが平等に与えられている最前提条件だ。

自分の目玉は生涯自分の目では見えない。

これから救われるようでは〔今〕に間に合わない。

助からないと思っても 助かって居る。

「考える前」に世界はあった。

はてしない土地
新しい世界
― からだ

袋の中のネコ